お答えします 「包括ケア」提言のポイント <1>

公明新聞:2014年8月25日(月)付

迫る超高齢社会を地域の絆で支え合う

公明党の地域包括ケアシステム推進本部(本部長=桝屋敬悟衆院議員)は7月31日、政府に対し、同システム構築に向けた政策提言をしました。提言のポイントを4回に分けてQ&Aで解説します。

問題意識の背景は?

Q なぜ今、地域包括ケアシステムの構築が必要なのですか?

地域包括ケアシステムのイメージA 最も人口が多い1947~49年前後に生まれた世代(団塊の世代)が、2025年には75歳以上となり、医療と介護の需要の急増が見込まれています。厚生労働省では、25年の75歳以上の高齢者人口は2179万人(全人口の18.1%)に上ると推計しています。

こうした超高齢社会に対応するために、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスなどを、高齢者が地域の中で一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」を、全国的に構築することが求められているのです【イラスト参照】。

Q 社会保障給付費の増大も指摘されています。


A 政府は社会保障財源を安定的に確保するために、消費税率引き上げを柱とする、社会保障と税の一体改革を進めています。この財源を活用して社会保障制度の維持・強化を進めることにしていますが、持続可能な制度とするためには給付の重点化や効率化も避けて通れない課題です。

そこで、高齢者自身がセルフケア(健康管理)に努めるとともに、必要な支援やサービスを選択・利用しながら、要介護状態にならないよう予防にも取り組める体制を、計画的に整備する必要があります。

一方、6月には、在宅で医療と介護のサービスが受けられる環境を整えることなどを柱とする医療・介護総合確保推進法が成立しました。同法では今年度、都道府県に約904億円の基金を創設。この基金を使って都道府県は、同システムの構築に向けた、さまざまな環境整備を進めることになります。公明党の提言では、基金に充てる財源を毎年しっかり確保することを強く求めています。

Q 一口に「地域包括ケアシステムの構築」と言っても地域差があるのでは?

A その通りです。都市部と農漁村部では高齢者を取り巻く環境が大きく違うように、地域の実情に即した取り組みが必要です。こうした問題意識から、党推進本部では全国の地方議員との意見交換や、現地調査などを精力的に重ねてきました。地域の医療・介護などの公助、共助の体制整備とともに、自助、互助の体制強化を含めたシステムの構築に向け、国民運動として展開していく必要があると考えます。

地域包括ケアシステムとは、言葉を換えれば、支え合いと共生社会の実現であり、地域の絆を再構築することです。だからこそ、地域に根差した公明党の取り組みに期待が寄せられています。

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