改正児童ポルノ禁止法

公明新聞:2014年8月20日(水)付

2009年6月26日の衆院法務委で質問する富田氏と、14年6月17日に改正案提出者として答弁に立つ遠山氏2009年6月26日の衆院法務委で質問する富田氏(右)と、14年6月17日に改正案提出者として答弁に立つ遠山氏

法律制定 そのとき公明は

子どもの人権を守る―。1999年に「児童買春・児童ポルノ禁止法」が成立以降、関係者らが求め続けてきた児童ポルノの「単純所持」を禁止する改正法が、今年6月18日に実現した。“人権の党”である公明党はいかに闘ったのか。その取り組みを紹介する。

単純所持に罰則。粘り強く与野党の合意形成を主導

「児童ポルノは犯罪や虐待の現場を永久に残すだけでなく、被害者の心をずたずたにする残酷な凶器です。この凶器を持ち続けることを許してはいけない。単純所持を違法にしてほしい」

児童ポルノ禁止法の改正がテーマとなった2009年6月26日の衆院法務委員会。自民、公明の与党案と民主党案が提出される中、参考人として登壇した日本ユニセフ協会のアグネス・チャン大使は、こう声を限りに訴えた。当時、委員だった公明党衆院議員の富田茂之は、「この叫びが法改正への機運をつくりだした」と振り返る。

かつて日本は、国際社会から「児童ポルノの供給国」と非難されるほど規制が遅れていた。このため自民、公明、自由の与党3党(当時)が中心となって、1999年に「児童買春・児童ポルノ禁止法」を成立させた。2004年の法改正で規制を強化し、児童ポルノの「製造・販売」や「提供目的での所持」を罰則の対象に加えたものの、焦点だった単純所持については「所有者のプライバシーへの配慮」などを理由に禁止されなかった。

だが、国際社会では児童ポルノを「見るだけでも犯罪」との考え方が常識だ。当時でさえ、主要8カ国(G8)で単純所持を処罰対象としないのは日本とロシアだけだった。

「児童ポルノを一刻も早く撲滅したい」。公明党は07年12月、法改正に向け再び動き出す。他党に先駆けプロジェクトチーム(PT)を設置し、視察や関係団体との意見交換を精力的に実施。自公両党による与党PTが08年4月に発足すると、PT座長代理の富田や公明党女性国会議員である松あきら、丸谷佳織(ともに当時)らが議論を主導して、単純所持を禁止する改正案がつくられた。

そして09年7月に、自公民3党による与野党協議が始まった。当初、自民と民主の主張に隔たりがある中で、まとめ役として動いたのが富田だった。粘り強く議論を重ね、合意が目前となった矢先、衆院が解散し、廃案となった。結局、その後の民主党政権下では日の目を見ることはなかった。

「これ以上、法改正を遅らせるわけにはいかない」。衆院法務委で理事を務める公明党の遠山清彦は今年4月、理事会の場で与野党協議の設置を提案した。08年の与党改正案や09年の与野党協議をたたき台にして、遠山が議論を主導。関係団体が積み上げた研究成果やデータも示し、法改正の必要性を訴え続けた。

この結果、自民、公明、民主、維新、結いの5党が「単純所持」を禁止する改正案に合意。「自己の性的好奇心を満たす目的」で児童ポルノを所持した者に対し、1年以下の懲役か100万円以下の罰金を科すこととした。ただし、既に所持している人や在庫を抱えた出版社に自主的な廃棄を促すため、施行から1年間は罰則は適用されない。

同改正法は6月18日の参院本会議で、共産、社民両党などを除く与野党の賛成多数で成立し、7月から施行された。

遠山は「長年に及ぶ諸先輩の執念が法改正につながった」と語る一方、富田は「法改正はゴールではない。関係者や被害者の明るい未来をつくるため、児童ポルノが根絶される日まで闘い続ける」と誓う。(敬称略)

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