犬猫の殺処分ゼロへ

公明新聞:2014年7月21日(月)付

アクションプラン始動
マイクロチップ(飼い主情報)の試行も 環境省

今年度のモデル事業の例迷子になった犬や猫を飼い主へ返還飼い主による無責任な飼育放棄などを理由に、犬や猫が年間10万匹以上殺処分されている。犬や猫の命を大切にし、殺処分ゼロをめざそうと、飼い主や行政、NPO法人、ペットショップ、ブリーダー(繁殖業者)らが一体で対策に乗り出したのが環境省のアクションプランだ。

プランは、環境省の「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」が、飼い主や国民の意識向上、飼い犬や飼い猫の引き取り数削減などを目的に、先月3日に発表。例えば、迷子になった犬や猫の飼い主への返還を進めるため、モデル事業として飼い主の情報を登録したマイクロチップを活用し、飼い主の明示を徹底することなど、公明党の主張が数多く反映されている。今年度中には、動物愛護行政を所管する全国の都道府県や政令指定市、中核市のうち、選ばれた地域でモデル事業を実施する。

一方、犬や猫の殺処分ゼロに向けて飼い主やブリーダー、地方自治体などが検討すべき項目もプランに明記。国による動物へのマイクロチップの装着義務化をはじめ、自治体で進めている不妊去勢措置に、支援助成制度を創設することなどを盛り込んだ。

環境省によると、全国の地方自治体で2012年度に引き取られた犬や猫は約21万匹で、このうち8割程度の約16万匹が殺処分された。動物愛護管理法では、飼い主に動物が命を終えるまで面倒を見る「終生飼養」の努力義務を定めているものの、さらなる取り組みが必要とされているのが現状だ。

このため公明党は今年5月、浮島智子(公明党)、牧原秀樹の両環境大臣政務官に対して、マイクロチップ装着義務化への取り組み強化を柱に犬や猫の殺処分ゼロに向けた申し入れを実施。牧原政務官は、提言の内容を政府の計画に盛り込む考えを示していた。

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