主張男女雇用機会均等 いつまで続く職場での差別

公明新聞:2014年6月23日(月)付

企業は改正省令の禁止行為厳守を

職場における女性差別の禁止対策を強化する、男女雇用機会均等法の改正省令と新たな指針が来月施行される。

改正省令では、性別とは表面上、無関係に見えても、結果的に採用や昇進の男女差別に結び付く「間接差別」の禁止対象を拡大する。

具体的には、現在、幹部候補の総合職に限って募集と採用時に不合理な転勤要件を設けることを禁止しているが、総合職の限定をなくし、新たに昇進、職種変更も要件に加える。女性の役員・管理職の登用比率を高めたい政府の方針の後押しにつながることを期待したい。

都道府県の労働局雇用均等室が受け付けた間接差別に関する相談には、結婚しているため転勤できないことを理由に、昇進対象から外された事例が寄せられている。転居を伴う転勤の可能性がないにもかかわらず、全国転勤できることを募集の要件としているケースも多く見られた。女性に応募をためらわせる悪質な底意を感じる。

改正省令を順守して、女性社員を正しく評価する職場に変えなければならない。

また、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)についての指針も改正する。指針は、事業主が実施すべき措置を定めている。今回、同性に対する行為もセクハラに該当すると明記し、より厳格な対応を求める。

雇用機会均等に関する相談件数の半数近くが、セクハラ関連である。中には「店長からセクハラを受けたため、窓口に相談したら店長が退職届を出せと言ってきた」と、立場を利用した横暴な事例もある。女性の人権を傷つける行為であり、到底許されない。

一方で、セクハラ防止のため、定期的な研修や調査などを実施している企業も出てきた。政府や自治体は、こうした企業を積極的に応援してもらいたい。例えば、就職活動中の女性や女子学生への周知を充実させれば、応募者が増え、企業が優秀な人材を確保しやすくなる。

公明党の推進で制定された男女雇用機会均等法は、女性の社会進出、職場での地位向上に大きな役割を果たしてきた。女性の活躍が日本社会の先行きを左右する時代に入ってきた今、同法の持つ意義はこれまで以上に大きくなる。

欧米では、多様な役員の起用が競争力の強化につながると考える企業が増え、女性の登用を重視している。国際市場で勝ち残るために、日本企業も発想を転換してほしい。

職場での男女格差は社員と企業の双方に不利益が多い。

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