福井・鯖江市役所JK課 女子高生13人で発足

公明新聞:2014年6月11日(水)付

女子高生らしいアイデアを持ち寄り話し合うJK課のメンバー女子高生らしいアイデアを持ち寄り話し合うJK課のメンバー

図書館の机 空き状況アプリ開発へ

「みんなに鯖江を好きになってもらいたいと思った」「友達から聞いて楽しそうだったから」「今しかできないことをしたかった」―。今年4月、鯖江市(人口約6万9000人)の市役所に新設された「JK課」の女子高生たちは、アンケート取材に対し、ありのままに抱負や動機を書いてくれた。

JK課のメンバーは市内に在住するか、市内の学校に通う13人の女子高校生・高等専門学校生だ。同課が誕生する契機は、今年1月の「おとな版鯖江市地域活性化プランコンテスト」。コンテストのテーマの一つが「これからの鯖江のために働く公務員像」。これに、若新雄純・慶應義塾大学特任助教を中心としたチームが「“ゆるい市民”が創る新しい公共」とのコンセプトで女子高生プロジェクトを提案した。

行政だけでなく市民からも「街づくりに興味がないのでは」と思われていた女子高生。その先入観に、「重要なのは、大人と子どもの中間にいる高校生が持つ素人の感覚を、地域づくりに生かすこと」(若新助教)との主張が“風穴”をあけた。「牧野百男市長も話を聞いて(新設を)即決した」(橋本和久・市民協働課参事)という。

だが、同プロジェクトの立ち上げへの準備が進むにつれ、市役所には賛否が相半ばする。そこでメンバー同士が話し合い、記者会見前に金髪だった髪の色を変えたり、スカートの丈を長くして臨んだ。“私たちが行政と関わることで、市役所を市民感覚に近づけたい”とのメンバーの思いが詰まった決断だった。

JK課では、「20分も自転車に乗り図書館へ行ったのに勉強机が空いていなかった」といった高校生ならではの体験を踏まえ、図書館の机の空き状況が分かるアプリの開発や、市内の若手菓子職人らとタイアップしたスイーツ作りなどを計画。現在、具体化へ準備が進んでいる。

「若者に委ねることが地域再生の鍵」と若新助教。鯖江市から何かを変えようという機運が、JK課のメンバーの手で“ゆるく”上がり始めた。

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