「復興へ若者帰還策を」

公明新聞:2014年5月26日(月)付

住民から実情を聞く荒木、浜田、若松、大口の各氏=25日 福島・川内村住民から実情を聞く(左手前から)荒木、浜田、若松、大口の各氏=25日 福島・川内村

若松氏ら 福島・川内村で住民懇談

除染廃棄物仮置き場も視察

公明党の福島県東日本大震災復興加速化本部の若松謙維議長(参院議員)と浜田昌良復興副大臣は25日、東京電力福島第1原発事故で一時、全村避難していた福島県川内村を訪れ、復興と再生への課題を精力的に調査した。

村では現在、震災前の5割ほどになる1455人が生活(週4日以上の滞在者を含む)。ただ、「帰還者の平均年齢は65歳」(猪狩貢副村長)で、若者の帰郷へつながる支援策が大きな課題になっている。第1原発から20キロ圏内に位置する同村東部は今も、避難区域に指定されているが、4月末から一部で住民の帰還に向けた準備宿泊が始まった。

一行はまず、村民らとの懇談会を開催。参加者からは「村に戻って来ているのは年寄りばかりで、復興の力になる若い人は本当に少なく悲しい」「村の仮設住宅から避難区域内にある自宅に通って片付けをしているが、ちゃんと住めるようになるまで仮設に居られるようにしてほしい」との声が上がった。

郡山市内の避難先から駆け付けた20代の男性は、村が雇用確保のために企業誘致に力を入れていることを評価しつつも、「職種が少なく、給料も低いので村にはまだ戻りにくい」との心情を吐露した。

次いで一行は、昨年4月から村内に常駐し、住民の帰還に向けたサポートをしている長崎大学保健学科の折田真紀子助教と意見交換。折田助教は、飲み水の線量データの正しい受け止め方を住民に伝えるなどのリスクコミュニケーションに丁寧に取り組んでいることを紹介した。

除染廃棄物の仮置き場この後、一行は除染で出た汚染廃棄物を保管している鍋倉地区の仮置き場へ。同村の秋元英男復興対策課長は、国が来年1月の搬入開始をめざしている中間貯蔵施設の建設が除染の進捗や仮置き場確保の前提となっていることを訴え、「着実に建設を進めてほしい」と求めた。

視察を終え、若松氏は「リスクコミュニケーションに取り組む人材を育成しながら、村の復興や帰還につなげていく」と力説した。

視察には、同本部の荒木清寛副議長(参院議員)、大口善徳衆院議員、安部泰男県議のほか、川内村からの避難者を多く受け入れている、いわき市の公明市議も同行した。

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