4月から消費税8% 社会保障改革を前へ <1>

公明新聞:2014年3月26日(水)付

急激な高齢化に対応
安定財源確保 制度の維持・強化へ充当

4月1日から消費税率が5%から8%に引き上げられます。その目的は、国の財政を健全化するとともに、年金、医療、介護、子育て支援をはじめとする社会保障制度の維持・強化にあります。国民の暮らしを守るための「社会保障と税の一体改革」の背景や、具体的な制度改革などについて4回に分けて紹介します。

一体改革の背景

日本は今、世界に例を見ない急激なスピードで少子高齢化が進んでいます。年金、医療、介護、子育て支援などの社会保障制度は本来、皆で負担を分かち合う仕組みですが、制度の支え手が減り、高齢者が増え続けると、将来の制度維持が困難になります。

国立社会保障・人口問題研究所が昨年12月に公表した、2011年度の社会保障給付費の総額は107兆4950億円。今後も増大は避けられず、厚生労働省では、団塊の世代が75歳以上となる25年には、150兆円に迫り、65歳以上の高齢者人口も3600万人を超えると予想しています。増え続ける社会保障給付費をどう賄っていくのかは、“待ったなし”の重要課題なのです。

消費税増収分の使い道社会保障給付費の財源は大きく二つ。個人と事業主が払う「社会保険料」と、国・地方の「税」に分けられます。しかし近年、保険料収入は横ばいで推移しており、増大する給付費との差は広がるばかりです。この差額は国と地方の税金で埋めているのが実態です。このことから、高齢世代を主な対象としている現在の社会保障制度は、将来世代にツケを回しているとの指摘もあります。

これらの課題に対応しつつ、社会保障制度を強化していくためには、安定した財源を確保しなければなりません。そこで人口構成の変化に左右されにくく、税収が安定している消費税率を引き上げ、その増収分を全額、年金、医療、介護、子育て支援の社会保障4分野の財源に充て【グラフ参照】、制度の維持・強化を図るのが「社会保障と税の一体改革」です。全世代が公平に負担を分かち合い、従来の高齢者中心の社会保障から、全世代を切れ目なく支援する社会保障へと転換を進めます。

20日に成立した14年度予算は、一体改革を進める初めての予算であり、今国会で今後、制度改革のための具体的な法案が審議されます。

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