注目集める「認知症カフェ」

公明新聞:2014年1月28日(火)付

認知症の人や家族、地域住民らと懇談する山宮、飯島の両区議認知症の人や家族、地域住民らと懇談する山宮(右から3人目)、飯島(同4人目)の両区議

介護の悩み気軽に相談
早期治療にも期待
区議会公明党が推進
東京・目黒区

地域ぐるみで支え合い

認知症の人や家族、医療従事者など、誰でも安心して集える「認知症カフェ」。自宅に引きこもりがちな認知症の人らが社会とつながる“居場所”であると同時に、地域の中で認知症の知識を普及させ、住民同士が支え合うまちづくりの取り組みとしても注目を集めている。東京都目黒区議会公明党の山宮清孝幹事長と飯島和代議員は18日、同区内にある認知症カフェ「Dカフェ・ラミヨ」を訪ね、関係者らと懇談した。

「Dementia(ディメンシア=認知症)」や「誰でもOK」などの頭文字「D」から名付けられた「Dカフェ・ラミヨ」。この日の午後、約20人の住民らが、三々五々集まり、テーブルを囲んだ。

目黒認知症家族会「たけのこ」の世話人である竹内弘道さんが、自宅を改装し、2階に談話スペースを設置、2012年7月にオープンした。竹内さんも介護の経験者。3年前にアルツハイマー型認知症と診断された母親をみとった。「地域で暮らす認知症の人や家族に、そっと手を差し伸べる場所になれば」と竹内さん。毎月第2日曜日と第4土曜日に交流会を開いている。

カフェでは、神経内科医やケアマネジャーの資格を持つ女性なども加わり、竹内さんの進行で、コーヒーや和菓子を楽しみながら和やかに懇談。介護家族が経験を語ったり、医師に相談していた。専門病院や行政の窓口などを紹介された主婦は、「ここでは医師と気軽に話せるし、経験者がアドバイスをくれる。悩みを聞いてもらえただけでも気持ちが楽になった」と笑顔を見せていた。

国もこうした動きを推進しようと、12年9月に策定した「認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)」で、認知症カフェを今後の対策の柱の一つとして位置付けている。

日常生活で「おかしい」と感じ始めた人らが、いきなり病院に行くのはハードルが高い。そこでカフェに気軽に足を運んでもらい、早期発見・治療につなげる。交流を通じて、症状の進行を遅らせる効果も狙う。

カフェ活動の形態はさまざまだが、認知症の人と家族、地域住民、医療・介護従事者など誰もが集える場として定義され、各地で取り組みが始まっている。

認知症カフェの普及・推進については、区議会公明党が議会質疑や予算要望などを通じ、認知症予防を促進するためカフェの増設を提案するなど積極的に推進してきた。

<認知症カフェ>オランダや英国で始まり、国内でも各地の自治体のほか、特定非営利活動法人(NPO法人)、社会福祉法人などが運営を始めている。カフェの設置状況など詳しい統計はない。厚生労働省も13年度から、開設を推進する自治体に事業費補助を始めている。

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