主張軽減税率の導入 政治決断で年内に結論を

公明新聞:2013年11月22日(金)付

低所得者の負担増緩和に不可欠

来年度の税制改正をめぐる議論が与党内で始まる。最大の焦点は、消費税率を10%に引き上げる段階で、生活必需品の税率を低く抑える軽減税率の導入だ。

公明党の山口代表は19日、安倍首相に対し、「年末の税制改正大綱では一定の結論を出すことを政治決断すべきだ」と要請し、首相は「しっかり承った」と応じた。政府・与党は早く結論を出してほしい。

消費増税は、社会保障の安定財源を確保できる一方で、所得の少ない人ほど負担が重くなる「逆進性」の問題がある。逆進性を緩和する低所得者対策は欠かせない。

来年4月の消費税率8%引き上げ時には、低所得者対策として市町村民税の非課税世帯に「簡素な給付措置」(1人当たり1万円)が行われる。だが、あくまで一時的な対策だ。

軽減税率なら恒久的な対策になり、消費者は買い物のたびに負担の軽減を実感しやすい。日本の消費税に当たる付加価値税を導入している欧州各国でも大半の国で定着している。低所得者対策の本命は軽減税率である。

消費税10%への引き上げ時期は2015年10月に予定され、最終的には政府が判断することになっている。

軽減税率を導入するには一定の準備期間が必要だ。財務省によれば、導入する場合、与党の税制改正大綱の決定から法案の閣議決定まで2カ月程度、法律の公布から施行までに1年半程度はかかるという。そうであるならば、なおのこと年内に方向性を出し、実務に必要な時間を確保すべきだ。

軽減税率の導入に当たっては懸念を払拭するための制度設計が重要であり、対象品目の絞り込みは、その一つだ。

20日の与党軽減税率制度調査委員会で公明党は対象として食料品(酒と外食は除く)と新聞・出版物を提案した。

来年実施される簡素な給付措置の給付額算出の根拠は、酒と外食を除く食料品の負担額から導き出している。この考えを踏襲すると、食料品を軽減税率の対象とするのは妥当である。

新聞・出版物は、国民の「知る権利」を守るために大きな役割を果たしている。民主主義の必需品でもあり、欧州諸国でも軽減税率の対象だ。

軽減税率の導入により、企業の事務負担が増えることも指摘されている。さまざま知恵を絞っていきたい。

世論調査では、約7割の人が軽減税率の導入を求めている。消費増税には国民の理解が不可欠だ。

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