主張がん登録法案 正確な実態把握に不可欠

公明新聞:2013年11月9日(土)付

早期成立させ有効な治療確立を

がんの実態を知るため、超党派の議員連盟「国会がん患者と家族の会」が、全病院にがん患者の情報提供を義務付ける「がん登録推進法案」の今国会成立をめざし、法案提出を急いでいる。

がん登録の必要性は公明党が長年訴えてきただけに、早期実現にこぎ着けてほしい。

がんは今や、日本人の2人に1人がかかる「国民病」である。

がんを知り、がんと闘うためには、種類ごとの患者数や生存率、治療成績など正確な実態把握が極めて重要である。有効な治療法の充実や検診の確立に道を開き、国民の死亡率減少につなげられるからだ。

残念だが、日本には全国レベルで、がんの実態をデータベース化する仕組みが整っていない。

現在のがん登録には、がん診療連携拠点病院が院内の患者情報を集める「院内がん登録」があるほか、都道府県が自主的に取り組む「地域がん登録」などがある。地域がん登録は、2012年から全都道府県で行われるようになった制度だ。

ただ、地域によって精度が異なる上に、登録漏れがあったり、治療後の生存確認の調査も十分ではない。しかも、都道府県が行う性格上、患者が県外の医療機関を受診したり、転出すると正確な把握が難しい。

このため、年間75万人といわれる日本人のがん発症数や最新の全国のがん罹患率などは、全人口の半分に満たない25府県のみの登録情報で推計されている。「5年生存率」に至っては、わずか7府県の登録情報に頼っているのが実情である。

法案は国内の全病院にがん登録を義務化し、毎年の発症数や生存率、患者がどのような治療を受け、どの程度の効果があったのかなど、詳細な情報を収集することが目的である。

国は蓄積されたデータベースを基に、予防の推進や早期発見、調査研究への活用など、対策の充実に取り組む方針だ。16年1月からの運用をめざしている。

米国など、がん登録を先進的に進めている国では死亡率減少の効果が既に表れている。公明党の主張によって06年に成立した「がん対策基本法」に登録の必要性が盛り込まれて以来、日本での法制化の可能性も高まってきた。

患者や家族が待ち望んできた制度である。一刻も早く法案を成立させ、有効な治療の実施を急がなければならない。

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