臨時国会の焦点 産業競争力強化法案

公明新聞:2013年10月14日(月)付

江田経済産業部会長江田経済産業部会長

江田経産部会長に聞く
成長戦略の実行確実に
計画策定で期限など明確化

15日に召集される臨時国会では、経済再生に向けた産業競争力強化法案が焦点となります。そこで、同法案の目的やポイントなどについて、公明党経済産業部会の江田康幸部会長に聞きました。

公明の主張が反映

中小企業の設備投資、創業、事業再生後押し


―産業競争力強化法案の狙いは。

江田部会長 自公政権の最大の課題は、デフレ(物価下落が続く状態)で低迷してきた経済の再生です。そのために、政府・与党が掲げた成長戦略を確実に実行し、国際競争力を底上げしていくことを目的にしています。

―法案の内容は。
産業競争力強化法案のポイント
江田 まず、今後5年間について、成長戦略を強力に実行していく「集中実施期間」とし、3年間の実行計画を策定します。実行計画では、制度改革ごとに実施期限や担当大臣を明確にし、毎年見直します。計画より遅れなどが生じた際は、担当大臣が理由を説明し、追加的な措置を講じなければなりません。

―成長戦略では規制改革が大きな柱になっていますが。

江田 企業単位で特例的に規制を緩和する「企業実証特例制度」を盛り込みました。例えば、重い荷物を引くため、アシスト力の大きい物流用電動アシスト自転車の活用を可能にする規制緩和などが挙げられます。

また、「グレーゾーン解消制度」を創設し、新事業が展開しやすくなるよう、健康・医療分野などで新事業が規制に抵触するか企業が事前に国に確認できるようにしました。

―産業の新陳代謝の促進も重要な柱になっています。

江田 産業の新陳代謝を促すため、ベンチャー企業への投資を行う「ベンチャーファンド」に資金を提供した企業に税制面で優遇措置を設けます。

さらに、企業の設備投資の活発化へ、税制改正大綱で示された設備投資減税を盛り込んでいます。具体的には、新たに最新設備を導入した企業の法人税を軽減する仕組みをつくったほか、中小企業の設備投資を促す税制を充実させました。どれも公明党が強く主張してきた施策です。

物の形を立体的に再現する「3Dプリンター」など高額な初期費用が必要な先端設備をリースする企業への支援策もそろえました。

こうした施策によって今後3年間で企業の設備投資額を1割増やし、リーマン・ショック前の年70兆円規模に押し上げていきます。

これに加え、企業の事業再編をしやすくし、世界市場で展開できる強い事業を生み出します。複数の企業が優れた事業などを切り離し、統合会社を設立した場合、登録免許税の軽減などの優遇措置を受けられます。

―中小企業への支援は。

江田 産業活性化に欠かせない創業を後押しします。日本の開業率は4.5%と、目標である欧米の水準(約10%)には、程遠いのが実情です。このため、市区町村と民間金融機関などの創業支援事業者が連携したワンストップの創業支援体制を整備しました。政府は創業支援事業者や創業者に対し、信用保証制度の特例などによる支援を行います。

―中小企業の事業再生も課題です。

江田 3月末に中小企業金融円滑化法が終了したことから、倒産のリスクが高い約5~6万社の経営改善・事業再生を急がなくてはなりません。このため、中小企業の事業再生を手掛ける中小企業再生支援全国本部の機能を強化しました。

また、事業再生計画の実行段階での資金調達を円滑にする「経営改善サポート保証」を創設し、資金繰りを支援します。こうした中小企業支援の強化も公明党が強く求めていたものです。

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