結党50周年へ新たな前進

公明新聞:2013年7月28日(日)付

井上幹事長井上幹事長

参院選結果と今後の展望
井上義久幹事長に聞く

21日に投開票された参院選で、公明党は選挙区4人が全員当選、比例区は756万8082票で7人が当選し、大勝利を収めることができました。選挙結果を受けて、井上義久幹事長に今後の国政運営への取り組みなどについて聞きました。

支持者の皆さまに心より感謝。「政治の安定」を望んだ民意

――昨年末の衆院選から6月の都議選、今月の参院選と大きな選挙が三つ続きました。

井上 党員、支持者、創価学会の皆さまには、真冬と真夏という大変厳しい季節の選挙であったにもかかわらず、真心からのご支援を賜りました。ただただ感謝の思いでいっぱいです。深く御礼申し上げます。

今回の参院選の結果により、自民、公明の与党は参院でも過半数の議席を得て、“ねじれ”を解消し、政治の安定を確保することができました。

選挙戦を通じて「国民目線」「生活者目線」「平和を守る」といった“公明らしさ”に立脚した実績や政策を訴え抜きました。こうした政権与党での公明党の役割に対する期待と評価を得たと思います。

公明党が候補者を立てた4選挙区では最重点区の埼玉をはじめ、全員が勝利しました。比例区でも7議席を獲得した結果、改選10議席を上回る11議席となりました。前回の獲得議席は9議席でしたから、大きな飛躍です。さらに、比例区では低投票率の中で得票率を伸ばし、結党以来、初めて比例第2党になりました。

――民主党など野党勢力の退潮については。

井上 政治の安定を求める有権者の民意の表れと言えます。今の政治に求められているのは、国民にとって聞き心地の良い“夢物語”のような政策ではなく、現実の課題を解決することです。野党は現実の課題を解決する政策を示すことができませんでした。

連立政権で生活者目線からアクセル・ブレーキ役を担う

――連立政権内での自民党へのブレーキ役を期待する声も大きいようですが。

井上 ブレーキ役ばかりが強調されますが、アクセルとブレーキの両方の役割を担っていく決意です。アクセルということに関しては、例えば、成年被後見人の選挙権回復です。公明党が主導し自民党にも呼び掛けて、自公両党で合意しました。がん対策でのピロリ菌除去の保険適用拡大などもそうです。公明党は国民の政治への期待を積極的にくみ取り、施策の推進役を果たしてきました。

その一方で、自民党の対応で国民が懸念する課題について、公明党はブレーキをかけるだけではなく、議論を重ねて国民的なコンセンサス(合意)を丁寧に形成するという役割を担っています。例えば、憲法を改正した方がいいという意見がありますが、「どこをどう変えるのか」議論をせずに改正に必要な要件の緩和だけを先行させるのは、民意からずれてしまう。そうならないよう、公明党は全力を尽くします。

集団的自衛権の行使についても、「認めない」というのが政府のこれまでの一貫した憲法解釈であり、公明党もそれが妥当であると考えています。それを「認めるべき」という意見に対しても、公明党が「なぜ必要か」と問題を提起し、与党内の議論を通じて、国民全体の議論につなげていきたい。こうした姿勢こそが、今後の政治に求められているのではないでしょうか。

経済再建と復興加速に全力。重要課題は丁寧に合意を形成

――与党として重点的に取り組む課題は。

井上 最大の課題は、経済の再建と震災復興の加速です。これまでの経済政策には一定の成果が表れています。今後は地方や中小企業がそれを実感できるよう、持続的な回復軌道に乗せていきたい。民間の活力を引き出す成長戦略や規制緩和を確実に実行し、雇用改善や個人所得の増加につなげます。

そのために、秋の臨時国会では法整備を含めた必要な対策に取り組みます。特に訴えてきた個人所得の増加については、政労使(政府・労働者・使用者)の協議体の設置を急ぎ、賃金配分のルール作りを進めます。

――震災復興について。

井上 今なお30万人近い人が仮設住宅などで避難生活を送り、特に福島県は約5万人が県外での生活を余儀なくされています。被災者の皆さまに一日も早く普通の生活を取り戻していただくために、住宅やインフラの復興に関する工程表を着実に進めていきます。

また公明党は、発災以来、国会議員が現地に入り、被災地議員とのネットワークを通じて被災地の状況や被災者の声を素早く把握し、対策を打ってきました。今回当選した新人議員についても、被災地の担当地域を明確にし、被災者に寄り添う体制を強化していきます。

――環太平洋連携協定(TPP)交渉や消費増税の判断など重要課題が目白押しです。

井上 それぞれが極めて重要な課題です。国民的な合意をつくり上げつつ、野党の声にも耳を傾けながら、着実に政治を前に進めたい。

明年「11.17」へ、立党精神を胸に国民の声に応える闘いを

――参院選では7人の新人議員が当選しました。

井上 政党には、「政治家を育てる」という役割があります。ここ数年の国政選挙で、政党の離合集散が常態化し政治家も毎回大きく入れ替わり、国民の期待に応える政治家が育たないという現状があります。公明党は昨年末の衆院選や今回の参院選を通じて、多くの優秀な新人を当選させていただきました。この方々が次の日本を真に担う政治家へと育ってもらうために、党を挙げて取り組みます。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

新聞の定期購読