第23回参院選の結果分析

公明新聞:2013年7月24日(水)付

信任された自公連立政権。
公明は比例票で初の第2党

参院の新たな党派別議員数7月21日投開票の第23回参院選は、自公が過半数議席を獲得し、衆参の多数派が異なる“ねじれ”を解消する結果となった。公明党は埼玉、東京、神奈川、大阪の4選挙区で完勝、比例区は7人が当選し、改選議席を上回る11議席を得た。特に、比例区の得票数は民主党に競り勝ち、第2党に躍進した。

国民は自公連立政権を信任した。

公明党は選挙区4、比例区7の合計11議席を獲得。非改選議席と合わせて20議席とし、公示前より1議席増を達成した。特に、比例区で得た756万8080票は、民主党の比例区票より約43万票多く、参院に比例区が導入された1983年以降、票数の上で初めて第2党に躍進した。

自民党は選挙区47、比例区18の合計65議席を獲得。非改選の50議席と合わせ115議席を獲得した。この結果、自公両党で135議席となり、参院の過半数(122議席)を大きく超え、全ての常任委員会委員長ポストを占めることが可能な議席数に達した。

民主党は55人の候補者を立てながら当選は選挙区10、比例区7の17議席。これは1998年の結党以来、最少の獲得議席となる。非改選と合わせ59議席となり、公示前より27議席減となった。

民主党は、昨年12月の衆院選惨敗で政権を失い、さらに国政選挙並みの取り組みで臨んだ6月の東京都議会議員選挙でも第4党にまで落ち込んだ。今回の参院選で3回連続の惨敗となり、国民の信頼を全く回復できていない現状を示す結果となった。

昨年の衆院選で第3党に躍り出た日本維新の会は、44人の候補者で臨んだ。選挙区2、比例区6の8議席獲得で、非改選と合わせて9議席になったが、「昨年の衆院選の勢いはなかった」(22日付 読売)との見方がもっぱらだ。

みんなの党は、選挙区4、比例区4の8議席を獲得。公示前の13議席を18議席に伸ばし、参院での野党第2党の地位を維持した。

共産党は12年ぶりに選挙区で議席を獲得するなど、選挙区3、比例区5の8議席を獲得。公示前の6議席を11議席に伸ばした。

社民党は改選2議席を1議席に減らし非改選と合わせて3議席に後退。生活の党は小沢代表の地元・岩手選挙区も落とし全敗。6議席減の2議席となった。みどりの風も全敗し、全議席を失った。

4選挙区で全員当選
埼玉、神奈川で雪辱果たす

比例区での公明党の都道府県別得票選挙区では、1人区で自民党が29勝2敗で圧勝し、民主党は全敗した。改選数2~5の複数区では自民党と公明党の与党の候補が全員当選。民主党は埼玉、東京、大阪など6選挙区で議席を失い、10議席にとどまった。

公明党が挑んだ埼玉、東京、神奈川、大阪の4選挙区では、全員が競り勝った。

6年前に公明党が議席を失った埼玉(定数3)は、公明・新人の矢倉克夫氏が前回(2010年)の公明票を5077票上回る59万9755票を獲得し、第2位で当選。見事に公明議席を奪還した。

東京(定数5)は公明・現職の山口那津男氏が党代表として全国の応援演説に飛び回る中、大接戦を制し、6年前の自身の得票を上回る79万7811票を獲得し、第2位で当選した。

神奈川(定数4)は公明・新人の佐々木さやかさんが62万9662票を獲得し、第3位で当選した。6年前に公明・現職が惜敗した議席(後に繰り上げ当選)を奪還、雪辱を果たした。

大阪(定数4)は日本維新の会、自民党が先行。公明・新人の杉久武氏が民主党、共産党との争いから抜け出し、第3位で伝統の議席を死守した。

比例区で7議席獲得
得票率は1.1ポイント増(前回比)の14.2%

比例区で公明党は756万8080票を獲得し、得票数は民主を抜き、「第2党」に躍進した。結党以来、初の快挙である。この結果、新人4人を含む7人が当選した。

公明党は、政権与党の中で自民党だけに追い風が吹く厳しい戦いを強いられたが、国民目線を貫く政策・実績を粘り強く訴え、得票率も前回の参院選(10年)比1.1ポイント増の14.2%に伸ばした。

比例区の各党の獲得議席は公明党7のほか、自民党18、民主党7、日本維新の会6、共産党5、みんなの党4、社民党1。

自民党は改選12議席から18議席と大きく伸ばした。一方、民主党は改選16議席から7議席に激減、得票率も前回参院選の31.6%から13.4%に大きく落ち込み、結党以来の惨敗を喫した。

昨年の衆院選で躍進した日本維新の会の得票率は11.9%にとどまった。共産党は9.7%、みんなの党は8.9%だった。生活の党、みどりの風は議席を獲得できなかった。

政治の安定求めた民意
経済界も歓迎 景気対策などに期待感


今回の参院選では、衆参両院で多数派が異なる“ねじれ”状態を解消できるかが大きな争点となった。

選挙の結果、自民、公明の与党両党は76議席を獲得し、非改選を含めて過半数を上回る議席を確保した。ねじれの解消が決まり、マスコミは「政治の安定、そして着実な改革を求める民意の表れ」(22日付 毎日)などと論評している。

経済界も政権基盤の安定を歓迎する姿勢を示した。

日本経済団体連合会(経団連)の米倉弘昌会長は22日の記者会見で「成長戦略など諸課題を迅速、着実に実行できる体制が整った」と高く評価した。市場も、大胆な経済政策への期待感から「株高・円安 当面続く」(22日付 日経)との見方が多い。

連立与党の勝利は海外からも注視されている。

欧米諸国などでは「景気浮揚や日米同盟強化による地域情勢安定化への期待が高まっている」(同 読売)とされ、特に米国は「日米の成長継続に向け連携を強めていく方針」(同 東京)だという。

経済再生や外交で課題が山積する中、自公政権への期待は高まっている。特に、実感できる景気回復を実現するためには、地方や中小企業への支援が重要であり、対応が急がれる。

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