東京都議選 結果分析と展望

公明新聞:2013年6月25日(火)付

6回連続の全員当選

公明党の底力
前回より得票率を伸ばし第2党の地位を回復


党派別議席数・得票数・得票率公明党は20選挙区に23人の候補者を擁立し全員当選を勝ち取った。都議選の完勝は6回連続となり、前回失った都議会第2党の地位を回復した。

公明党と自民党を合わせた82議席は、都議会(127議席)の過半数である64議席を大きく超えている。これによって、前回都議選で第1党となった民主党が招いた都政の混乱を解消するための確かな基盤を構築できた。

公明党の総得票数は63万9160票で、得票率は14.10%。絶対得票率(当日有権者数に対する得票割合)は6.04%だった。

公明党が候補者を立てた20選挙区に限ると、得票率は19.53%、絶対得票率は8.57%だった。得票率は前回(18.40%)を超えた。

今回の投票率は過去最低だった1997年の40.80%に次いで過去2番目に低い43.50%で、前回選挙(54.49%)より11ポイント下回った。この低投票率と多くの政党の乱立にもかかわらず、公明党が得票率を伸ばして全員当選できたのは、党員、支持者の皆さまの圧倒的な支援があったからである。この結果、公明党は都議会における存在感をますます示すことができる。

選挙区別に見ると、得票率は荒川区の27.69%を筆頭に、足立区、北多摩1区、墨田区、北区、八王子市、町田市、葛飾区、江戸川区、豊島区の10選挙区が20%を超えた。これは前回の6選挙区に比べ大きな躍進である。

また、大田区、目黒区、新宿区の3選挙区は19%台を確保した。

絶対得票率では、やはり荒川区の12.59%を筆頭に、北多摩1区、足立区、北区、八王子市、町田市が10%を上回った。

前回、トップ当選は2選挙区にとどまったが、今回は、新宿区、目黒区、板橋区、練馬区、葛飾区、江戸川区、八王子市、北多摩1区の8選挙区に上った。これも都議会公明党の底力が示された結果である。

23日に投開票が行われた東京都議会議員選挙で、公明党の23候補は全員が当選、都議会第2党となった。都議選の完勝は1993年以来6回連続。59候補の全員当選を果たした自民党は第1党を奪還し、自公で過半数(64議席以上)を大幅に上回る議席を占めた。前回第1党に躍進した民主党は15議席にとどまる大敗で第4党に転落した。自公両党が過半数を占めたことで、安定した都議会運営が進められる条件が整った。公明党候補の選挙結果や各党の状況、今後の都政での役割などについてまとめた。

政策選挙に高い評価
都民本意の政治をめざし、「都政のかじ取り役」担う


今回の東京都議選では、老朽化する社会インフラ、首都直下地震など首都が抱える課題に対して、有権者はどの政党・候補が責任ある政策を掲げ、取り組もうとしているか真剣に探っていた。

これに対して公明党は、きめ細かく都民の声を吸い上げて具体的なビジョンを示し、正々堂々と「政策選挙」を貫いた。

公明党23候補の完全勝利は、都議会公明党の地域に根を張る地道な活動と実績、さらには防災・減災、高齢者、子育て、環境などの分野で、都民の将来を見据えた的確な提案が、多くの都民に評価された結果にほかならない。「公明手堅く『実績重ねた』」(24日付 朝日新聞)とマスコミも高く評価した。

都議会は4年前の選挙で自民、公明両党の合計議席が過半数を割り、民主党が第1党になった。しかし、民主党の稚拙な議会運営によって、都議会は混乱を極め、国政と同様に「決められない政治」の元凶となった。

その結果、民主党は惨敗し、第4党に転落した。国政で失政を重ねたことに対する有権者の不信感が、いまだに根強いからだ。相変わらず他党批判一辺倒で、パフォーマンスに終始した無責任な姿勢を都民に見抜かれたからではないだろうか。

59人の全候補が当選し、第1党に返り咲いた自民党とともに、都議会公明党が「都政のかじ取り役」を担う立場になり、その役割はますます重要になってくる。

都議会公明党は、選挙戦で訴えた政策を実現するために全力を挙げて取り組んでいく。

他党の消長
自民全勝、民主15議席に激減し第4党に転落


公明党が候補者を立てた20選挙区別の得票数・得票率・絶対得票率自民党は全42選挙区に59人を擁立し、全員当選を果たし、前回失った都議会第1党の座を奪還した。

7選挙区ある「1人区」では、自民党は前回、1勝6敗に終わったが、今回は全勝した。定数2の港区では2議席を独占。3人を擁立した大田区、世田谷区、練馬区でも全員当選を果たした。得票率は前回の25.88%から36.04%と大きく伸ばした。

民主党は、前回より14人少ない44人の候補者を立てたが、15議席獲得にとどまり、都議会第1党から第4党に転落した。1人区では全敗、品川区や杉並区、北区、江戸川区では2人が落選した。前回3人当選した世田谷区は全滅した。得票率は前回の40.79%から15.24%へと大きくダウンした。

民主党はこの4年間、都議会でも離党者が相次ぎ、都民の失望を招いた。有権者からの信頼回復と党再生に深刻な課題を残した結果といえる。

第三極では、みんなの党が党として初めて都議選に臨み、1議席から7議席に伸ばした。一方、日本維新の会は34人を擁立したものの、当選は改選前の議席を下回る2議席にとどまった。

共産党は、8議席から17議席に増え、民主党を抜いて都議会第3党になった。候補者調整などで混乱が続いた第三極を敬遠した浮動票の受け皿になったとみられている。

東京・生活者ネットワークは3議席獲得にとどまり、生活の党と社民党、みどりの風は、議席を獲得できなかった。

有権者の意思
都政の安定を志向


今回の都議選では、自民、公明両党の与党が過半数議席を大きく上回り、マスコミからは「都民が安定を志向した」(24日付 日経新聞)と受け止められている。

これは、読売新聞が選挙期間中に行った世論調査(18日付)で、自公が過半数を獲得するのが望ましいとした人が50%に上り、「そうは思わない」の38%を上回ったことからも裏付けられる。

背景には、有権者に「深い民主不信」(24日付 朝日新聞)があったことは間違いない。

前回の都議選で民主党は第1党の座を確保したものの、稚拙な議会運営によって議長人事などをめぐって混乱を招き、国政と同様に「決められない政治」を続けてきた。都政に詳しい佐々木信夫・中央大学教授が「有権者には、前回投票した民主党に期待を裏切られたという思いがあった」(24日付 毎日新聞)と指摘したのは的を射ている。

一方、都議選の結果は、自公連立政権に対する「政治の安定や経済政策などへの期待が持続していることを反映した」(同)との指摘もある。

7月4日(木)公示、21日(日)投票が確定的な参院選でも自公両党が過半数を確保し、政治の安定を実現できるかが争点になり、有権者の投票基準になることは確かだ。

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