子宮頸がんワクチン推奨中止
公明新聞:2013年6月19日(水)付
定期接種は中断せず
厚労省の検討会座長 「安全性に問題なし」
党厚生労働部会長 渡辺孝男
問い
子宮頸がんの予防ワクチンについて、「厚生労働省が、一時的に積極的な接種を勧めることをやめた」と報じられています。どういうことでしょうか?
(東京都 A・F)
適切な情報の提供へ 医学データ集め調査
今月14日、厚生労働省は専門家でつくる検討会の判断を踏まえ、一時的に子宮頸がん予防ワクチンの定期接種を積極的に推奨することを控える方針を決めました。つまり、広報誌などで接種を呼び掛けはするものの、接種を促すハガキなどを家庭に送るようなことはしないということです。
今回の決定は、これまで指摘されてきた同ワクチン接種後に稀に起こる重い副反応について、十分に評価・説明できるデータが整っていないことから、適切な情報が提供できるまでの間、一時的に接種を積極的に推奨することを控えるものです。定期接種を中止・中断するものではなく、接種を希望する対象者(小学6年~高校1年の女子)は無料で受けられます。
検討会の桃井真里子座長(国際医療福祉大副学長)も「ワクチン自体の安全性に大きな問題があるということではない。調査し、より安心な情報を出したい」(15日付 朝日新聞)と話している通り、同ワクチンは世界保健機関(WHO)が推奨し、世界100カ国以上で承認されています。厚労省の今回の方針に関わりなく、ワクチンそのものの有効性や安全性に大きな問題はありません。
一方で、ワクチン接種との因果関係を否定できない持続的な疼痛(しびれ、痛み)が特異的に見られるケースが出てきました。
そこで検討会では、これまで報告があった38例を中心に、海外の症例を含め医学的なデータを可能な限り収集し、実態調査を進めるとともに、原因及び痛みの発生頻度をより明らかにするよう厚労省に求めています。
公明党は厚労省に対し、子宮頸がん予防ワクチンの有効性<注>、安全性について、国民の間に誤解が生じることがないよう、適切な情報提供に努めるよう強く求めています。
<注>年間約1万人が発症し、約3000人が死亡している子宮頸がんを50~70%予防する効果が期待される。
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