若者の声を成長戦略に

公明新聞:2013年6月12日(水)付

安倍首相に提言を申し入れる石井氏、谷合氏と青年党員ら=11日 首相官邸安倍首相(中央右)に提言を申し入れる石井氏(右隣)、谷合氏(左から2人目)と青年党員ら=11日 首相官邸

子育て世代の収入増を
アンケート結果踏まえ党青年委が安倍首相に提言
仕事と生活の調和へ 多様な働き方を推進

子育てする上で困っていること公明党の石井啓一政務調査会長、青年委員会の谷合正明委員長(参院議員)と同委員会所属の議員および青年党員らは11日、首相官邸で安倍晋三首相に対し、若者の「ワーク・ライフ・バランス」(仕事と生活の調和)に関する提言を申し入れた。

提言は、党青年委員会が今年3月から5月にかけて、全国で実施したアンケート(回答数28万6037人)の結果を踏まえ、所得の向上や労働環境の改善、多様な働き方の推進などを求めるもの。席上、谷合氏は、政府の成長戦略に、今回集まった若者の声を反映させるよう訴えた。

行政サービスの利用状況アンケートでは、仕事に対する意識調査として、「仕事や職場での不安」(用意された選択肢から最大2項目まで選択)を尋ねたところ、「収入」との回答が46.3%で最も多く、その次に「職場の人間関係」が31.4%と続いた。また、子どもがいる回答者が「子育てする上で困っていること」(同)としては、「お金が掛かる」が58.7%で圧倒的に多かった。

このほか、ワーク・ライフ・バランスについて、プライベートよりも仕事を優先せざるを得ない若者が多い状況が判明。若者支援策の利用状況では、ハローワークを除くほとんどの行政サービスの利用度が低く、2~4割が「知らない」との現状も浮き彫りとなった【グラフ参照】。

このため提言では、収入について「物価上昇を上回る所得の上昇をめざすべき」として、特に、子育て世代の世帯収入増が必要だと強調。その上で、政労使による「賃金の配分に関するルール」作りや、正規・非正規雇用間の格差是正、最低賃金引き上げに向けた環境整備などを進めるよう提案している。

ブラック企業の対策強化も

一方、労働環境が悪いために早期離職する若者も依然として多いことから、劣悪な環境での仕事を強いる「ブラック企業」への対策強化を主張。具体策としては、悪質な企業名の公表などを挙げた。

個人のライフスタイルに応じた働き方として、地域限定や労働時間限定の正社員の普及・拡大に加え、短時間正社員制度などの導入促進も提唱。若者支援策については、必要に応じた運用改善や、相談窓口などの周知および浸透に努めるよう指摘している。

安倍首相は「いい提言を頂いたので、成長戦略の中で実行していきたい」と答えた。所得の向上については、経済界に協力を要請していると述べた。

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