子宮頸がんワクチン副反応報道

公明新聞:2013年5月27日(月)付

渡辺孝男参院議員に聞く

今年4月から定期接種化になった子宮頸がんワクチンを接種したことで、重い副反応が出ているとの報道を受け、保護者などから不安の声が聞かれる。そこで、公明党厚生労働部会長の渡辺孝男参院議員に見解を聞いた。

失神など多くは一過性で回復
重い副反応で産婦人科医会が見解
薬の成分ではなく注射の刺激で発症の可能性。因果関係も不明

―子宮頸がんワクチンの副反応に不安が広がっています。

渡辺部会長 子宮頸がんワクチンに限らず、どのようなワクチンでも、ごく稀に副反応が起こり得ることは知られています。子宮頸がんワクチンによる副反応の大多数は、注射を打つことに対する痛み、恐怖、不安などからくる一時的な血圧低下、顔面蒼白、失神といった症状だと報告されています。これらは一過性の症状で、いずれもほどなく回復しています。

―テレビなどでは、けいれんを起こした女子生徒の映像も放送されましたが。

渡辺 日本産婦人科医会では、手足や肩の痛み、しびれなどがみられる「複合性局所疼痛症候群」の疑いがあるとの見解を示しています。また、これらの症状はワクチンの成分によるものではなく、「注射針等の刺激がきっかけになって発症すると考えられ」、因果関係についても不明だとしてます。

また厚労省の検討会も同様の理由から、すぐに接種を中止する必要はないと判断しています。

―今年4月から、子宮頸がんワクチンが定期接種化になりましたが、時期尚早だったとの指摘もあります。


渡辺 欧米先進国では日本より5年ほど早く定期接種化され、億を超える回数が接種されています。副反応が稀に起こる可能性がある一方で、若い女性の前がん状態の細胞は減少しており、有効性も確認されています。副反応のリスクよりも子宮頸がん予防のメリットの方が高いことが分かっているため、世界的にも推進の流れがあります。そうした背景から、公明党も早期の定期接種化を推進してきました。

―副反応がどうしても心配だという場合はどうすればよいですか。

渡辺 過去にお子さんが予防接種で失神などを起こしたことがあるとか、アレルギーや他に病気がある場合には、事前に主治医と相談し、場合によっては接種を見送るという選択肢もあります。いずれにしても、子宮頸がんで毎年3000人強が亡くなっていることを考えて、冷静な対応が必要です。

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