主張政府は総合的な対策急げ
公明新聞:2013年4月27日(土)付
自民、公明が基本法案 教員研修など予防体制整備
アレルギー疾患
自民、公明両党が国によるアレルギー疾患対策を強化する基本法案をまとめた。今国会に同法案を提出し、早期成立をめざす。
厚労省によると、国民の2人に1人が何らかのアレルギー疾患に悩まされている。このうち、花粉症を含むアレルギー性鼻炎は国民の4割以上、アトピー性皮膚炎は1割に上っている。近年は児童の疾患も増加しており、まさに国民病だ。
法案は全国どこでも適切なアレルギー疾患医療が受けられる体制整備を基本理念とし、国に総合的な対策を盛り込んだ基本指針の策定を義務付ける。根治に向けた調査研究や専門医の育成、治療薬の早期承認なども求める。
アレルギーの原因となる大気汚染の防止や、森林の適正な整備、アレルギー物質を含む食品表示の充実などの措置も国に求め、生活環境を改善する対策も促している。厚労省に患者や専門家らで構成する対策推進協議会を設置し、5年ごとに必要な見直しを行うことも盛り込んだ。
昨年12月に東京都調布市で食物アレルギーのある女児が、アレルギー成分の入った給食を食べ死亡した事故が起こり、対策強化を求める声が高まっていた。
ところが、今月18日に同市で牛乳に対してアレルギーのある男児が、誤って配られた牛乳を飲んでしまう事故が起きた。幸い、男児にアレルギー反応の症状は出なかったが、担任教諭の確認ミスが原因だった。
事故の再発防止に取り組んでいるさなかの出来事であり、アレルギー体質の児童を通学させている保護者の間に動揺が広がったのではないだろうか。全国的にも学校給食による食物アレルギー事故が相次いでいる。
そこで法案では、教職員らの研修機会を確保するほか、患者や家族の相談体制の整備も求める。アレルギーに詳しい医師や看護師、薬剤師らの医療従事者だけでなく、栄養士や調理師の育成も促すなど、予防体制をさらに整備・強化する方針だ。
ぜんそく、花粉症の原因などを調査・研究する研究センターの創設や、アドレナリン自己注射薬(製品名「エピペン」)の保険適用を実現させるなど、公明党の取り組みで、アレルギー対策は格段に進んでいる。今回の法案は、国の対策をさらに総合的に進めようというものだ。
増加するアレルギー疾患を防ぐため、一日も早い法成立によって実効性ある対策を進めなければならない。
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