人間の復興へ
公明新聞:2013年3月10日(日)付
東北を中心に広範囲に未曽有の被害をもたらした東日本大震災から2年。公明党は発生直後から現場に入り、被災者の生活支援や復旧・復興に力を尽くしてきた。連立政権への復帰を果たした今、政治の取り組みを加速させ、「被災地が復興を実感できる結果を」と、さらなる闘いを展開している。
どこまでも被災者とともに
“復興実感”へフル稼働32万人もの避難生活者が二度目の冬を迎えている―。この現実を直視し、昨年12月26日に連立政権へ復帰した公明党は、震災復興と福島再生を加速させるアクセルを一気に踏み込んだ。
与党・公明党の現場第一主義が被災地で異彩を放つ。1月5日、太田昭宏国土交通相が安倍内閣の閣僚として初めて宮城県内の被災地を視察。前日の福島県内を含む計5市町で災害公営住宅や道路、鉄道、港湾の状況を調査した。太田国交相は今月3日にも仙台市を訪問。復興事業の本格化を前に現場関係者と会議を開き、不足が懸念される資材の確保策などの手を矢継ぎ早に打った。
2月1日からは原発事故への対応を即断即決で進めるため、地元・福島に国の出先機関を一元化した「福島復興再生総局」が開設。公明党の浜田昌良復興副大臣、赤羽一嘉原子力災害現地対策本部長(経済産業副大臣)が総局のメンバーとして最前線で奮闘中だ。
国政では2012年度補正予算と13年度予算案の柱に「復興」を据え、住宅再建やまちづくりなどの施策を大幅に拡充。民主党政権時に決めた復興予算のフレーム(11年度から5年間で19兆円)も25兆円に見直した。
予算、体制、そして結果を
予算と体制は整えた。あとは結果だ。きょう10日、公明党は東北復興会議を仙台市で開く。震災3年目へと向かう次の一年を「復興実感元年」とし、被災者に「復興が進んだ」と肌身で感じてもらえる奮迅の闘いを開始する。率先垂範の初動対応
立党精神胸に救援に奔走
あの日
「一刻の猶予も許されない」。2011年3月11日午後2時46分。未曽有の被害をもたらした大震災発生後、公明党はすぐさま行動を開始した。
同3時20分に対策本部を設置。直後に国会内で開いた初会合で山口那津男代表は、緊急の補正予算の編成と与野党の協力体制の構築を訴えた。その後、井上幹事長は翌12日昼に東京を発ち、一般道を16時間かけて13日未明に仙台市内に入った。現場の状況をつぶさに把握し、避難所を訪れ被災者を励ます一方、市長らからの矢継ぎ早の要望にも、即座に手を打ち、首相官邸などに対応策を求めていった。
被災地の公明党議員も、だれもが被災者に寄り添い、救援・復旧の率先垂範の人であり続けた。避難所と役所を何度も往復しては、現場の声を首長に伝え対応を促す議員。炊き出しの陣頭指揮や避難所の運営に携わる議員。自らも被災した身でありながら、命に刻みつけている「大衆とともに」の立党精神をたぎらせ、窮状打開に奔走し続けた。
議員一体で政府動かす
半年で766項目の政策提言
現場力
地域ごとに異なる被害状況の中で、何をなし、いかに現場の声を国政に届けるべきか。公明党は国会、地方議員が一体となって果敢に奮闘を重ねてきた。
発災後の3月18日には、東電福島第1原発の使用済み燃料プールへの冷却作業に向け、建設業界の推奨で生コン圧送機の投入を首相官邸に進言。現場の提案に耳を傾ける姿勢と、優れた状況判断が生んだ巧妙な一手となった。
復旧・復興に欠かせない復興基本法においても公明党は、復興庁と復興特区の創設を盛り込み、「人間の復興」を中心に据えた独自案を発表。政府が遅れに遅れて、ようやく出した法案は、中身が薄く現場感覚に乏しいものであったことから、公明案を丸のみする形で修正が加えられ、ようやく成立に至った。
震災半年で行った現場の声に基づく政策提言や申し入れは、延べ16回、766項目に上り、政府を突き動かした事例は計り知れない。“決める政治”へ執念
風呂に追いだき機能 心ない答弁に声震わせ
復興胎動
「あまりにも酷じゃないか!」。12年3月6日、国会質問で公明議員が声を震わせた。追いだき機能がない仮設住宅の風呂に「差し湯をして入っていただくしかない」と答弁する民主党政権(当時)の大臣。寒い冬にお湯を何度も足して入浴しなければならない被災者の心労が分からず、“遅い、鈍い、心がない”対応を繰り返す政府に怒りが爆発したのだ。
追いだき機能のニーズ(要望)は公明党の岩手、宮城、福島各県本部が仮設住宅の総点検や住民懇談会を通じて掌握。これを基に国会議員が政府に粘り強く実現を迫った末、12年4月に全額公費での実施が決定。震災から二度目の冬を前に取り付け工事が始まった。
12年10月からは福島で18歳以下の子どもを対象にした医療費無料化がスタート。「無料化は難しい」と二の足を踏む民主党政権の“決められない政治”を公明党が打ち破った。
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