ピロリ菌 除菌薬に保険適用

公明新聞:2013年2月22日(金)付

胃がん予防が大きく前進
公明、署名などで後押し

ヘイリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)厚生労働省は21日、胃がんの大きな原因とされるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染による慢性胃炎について、除菌治療に用いる複数の薬剤を保険診療の対象に拡大することを承認した。

呼気検査などでピロリ菌感染を調べ、内視鏡で胃炎と確認されれば、除菌治療を保険適用とする。除菌は胃酸を抑える薬と抗生物質を組み合わせて行う。患者は1週間程度、薬を服用する。除菌できれば再感染の恐れは低い。

これまでは胃潰瘍などに進行するまで、慢性胃炎の除菌治療は保険対象外だったが、保険が適用されることで胃がんの予防と患者数の減少が期待される。胃がんで亡くなる人は年間約5万人で、がんの死因2位となっている。

日本人のピロリ菌感染者数は、3500万人にも上るとされている。胃酸の分泌が不十分な幼少時に口から入り、成人後も胃粘膜にとどまり続ける。また、水道などの衛生環境が不十分だった時代に幼少期を過ごした世代に感染者が多いともいわれている。

ピロリ菌の除菌対策で申し入れる松副代表と党北海道本部=2012年5月 厚労省胃がん対策について公明党は、がん対策推進本部の秋野公造事務局長(当時)が2011年2月10日の質問主意書で、ピロリ菌の感染が胃がん発生の原因の一つであることを政府に初めて認めさせ、松あきら本部長(副代表)も同年3月7日の参院委員会などで胃がん検診にピロリ菌検査を追加すべきだと主張。

また、党北海道、九州両方面でも昨年3~4月を中心に、ピロリ菌の除菌治療を慢性胃炎まで拡大した上で、保険適用などを求める署名活動を展開し、100万人を超える賛同の声を政府に届けていた。

画期的決定、公明に感謝
北海道大学特任教授 浅香 正博氏


多くのピロリ菌感染者が慢性胃炎の段階でも除菌治療を受けられれば、将来的に胃がん、胃潰瘍などの予防にもつながる。胃がん撲滅まで視野に入る今回の決定は、大変に画期的なものだ。

公明党の松あきら副代表、秋野公造参院議員には国会質疑でピロリ菌対策を取り上げてもらい、党北海道、九州両方面でも署名活動を実施し、100万人を超える声が集まった。公明党の協力が大きな力になったと感謝している。

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