主張グループホーム火災

公明新聞:2013年2月16日(土)付

政治・行政も問われている
あらゆる側面から安全確保の手を

二度とこのような事故を起こしてはならない。

8日に長崎市で起きた認知症グループホームの火災事故である。この火災事故で4人が亡くなった。スプリンクラーなどの消火設備の不備や狭い立地だったことなどが、被害を拡大させた。

当の施設は、2010年4月に防火扉の不備などで行政指導を受け、同年9月に2回目の指導を受けていたが、改善措置を講じていなかった。

施設へのスプリンクラー設置が義務となる延床面積275平方メートルをわずかに下回り、火災の夜も職員が1人おり、国の基準を最低限守っていた形だった。

しかし、防火体制の改善を怠ったことや、施設外の階に入居者らしき人を住まわせていたことなども分かっており、違法施設との疑いが強い。施設側の責任は厳しく問われなければならない。

だが、同時に、基準づくりや監督などを担う政治・行政の側についても、安全確保に最善を尽くした対策だったのかを問わなければならない。

グループホームはここ10年で急増し、全国約1万カ所に上る。しかし、小規模施設ほど経営は厳しく、慢性的な職員不足や公的補助の不十分さが目立っている。この中で介護職員や経営者の努力はあるものの、グループホーム全体の6.7%の669施設が建築基準法違反のままという現実が立ちはだかっている。

実際、火災が起きた長崎市の施設でも市が国の助成金を活用してスプリンクラーを設置するよう促していたが、設置されなかった。小規模施設に防火対策を行う財政的余裕がない実態を見逃してはならない。防火対策を十分に行えるように、政府・自治体は手を差し伸べる必要があろう。

今回の事故に当たり、太田昭宏国土交通相(公明党)は「一つ一つの建物を現状に即して違反がないようにきめ細かく見ていく必要がある」とし、全国の建築基準法違反の施設所有者に対し3月末までに改善計画を出すよう求める方針を示した。

長崎市など、各地の自治体も率先して緊急調査に乗り出している。

公明党も12日に厚生労働省に対し、面積基準の見直しや周辺地域の実情に応じた対策の必要性を訴えるなどの行動を始めている。

グループホームは家庭的な雰囲気の中で認知症の介護を行う小規模施設で、地域に溶け込んだ存在だ。需要もさらに高まっている。だからこそ、あらゆる側面から安全対策に万全を期す必要がある。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

新聞の定期購読