主張改正著作権法スタート 芸術の力で社会を活性化
公明新聞:2012年10月3日(水)付
音楽など違法複製に罰則を追加
インターネット配信から、違法に代金を支払わずに音楽や映像を複製する不正行為に罰則を追加した改正著作権法が、1日から施行された。
日本レコード協会によると、年間の違法行為による複製品数は、正規購入数の10倍で、被害想定額は6683億円にも及ぶという(2010年8月調査)。
公明党が強力に後押しした法改正の狙いは、アーティストの収益源が違法行為で失われるのを阻止しつつ、文化芸術が持つ潜在力を社会の活性化にもつなげるためだ。
優れた音楽や映画は人々に感動を与えるだけでは終わらない。その感動は次の芸術作品を生み出し、やがてはイノベーション(技術革新)に結びつくことさえある。「好きな音楽を連れて歩きたい」という発想から誕生したソニーの「ウォークマン」は、その代表例だ。日本発のウォークマンが、音楽プレーヤーと電話が融合した多機能携帯端末「iPhone(アイフォーン)」の生みの親である米アップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏に多大な影響を与えたことは有名だ。
アイフォーンの爆発的普及は音楽や映像をネットで配信できるようになったことも一因だが、根本的な理由は、やはり才能あるアーティストが芸術性の高い作品を創作し続けているからだ。
魅力ある作品は経済効果も大きい。
日本が世界に誇る子ども向けアニメ「ポケモン」は、全世界における関連製品の年間売上が3兆円を超える巨大市場だ。また、アニメや映画といった映像、そして音楽やゲームなどの制作や流通を担う「コンテンツ産業」は約11兆3000億円(10年、総務省調べ)と日本経済の重要な柱へと成長している。
こうした点からも明らかだが、違法な複製は作品が生み出す貴重な付加価値の連鎖を断絶するのと同じだ。
その意味で今回の罰則強化は、違法行為の阻止につながる点で意義が大きい。
そして、法改正を周知徹底し違法行為を未然に防ぐことも欠かせない。
特に、ネットを利用する機会が多い若者世代に、著作権と芸術振興の重要性を啓発することが必要である。
例えば、若者に人気のアーティストが著作権保護の意義とともに日本の音楽や映画の良さを直接、若者に語りかけるような場があってもよいのではないか。そうした機会は若者に夢を与え、新たな芸術文化を生み出すことも期待できるからだ。
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