第33回 ヨーロッパのコミュニティサイクルを見に行ってきました。Vol.2

その他の国のコミュニティサイクル

パリのヴェリブの成功は、他の都市にも大きな影響を与えました。

ヴェリブに先立ち、2005年より導入されているリヨン、レンヌ、ストラスブールのほか、フランスでは、トゥールーズ、ナンシー、アミアン、ディジョン、カーン、ペルピニャン、オルレアン、ルーアン、ナントなどの都市がコミュニティサイクルを導入し、市街地への車の流入を減らす試みをはじめています。

また他のヨーロッパ諸国でも、バルセロナ、ブリュッセル、ロンドン、コペンハーゲン、ストックホルム、パンプローナ、ウィーンなどで同じようなシステムが運用されています。

バルセロナのコミュティサイクル

スペインのバルセロナはマドリッドに次ぐ第2の大都会。旧市街に中世の趣を残しながらオリンピックの影響もあって新市街はモダンで進んだ印象です。

マドリッドにはないレンタサイクルをいち早く取り入れたのもこの街の先見性ゆえなのかも。

自転車専用道もパリより充実しているようで、レンタサイクルも地元民の足として愛されているようでした。

  • バルセロナもステーションの数は充実

  • 説明はかなり細かい

  • バーにある穴にハンドル下の棒を入れてロックする方式

  • 観光客より地元の人が多く使っている感じ

  • 片側車線を自転車専用道にした区間も

  • 随所に自転車用の標識も設置されている

ブリュッセルのコミュニティサイクル

駅前の駐輪場に並んだレンタサイクル

ブリュッセルはEU連合の本部がある都市。

重厚な旧市街と近代的な新市街の調和が見事なこの街も、自動車の路上駐車は少なく、道路は整然と片付いています。コミュニティサイクルは旧市街に重点的に整備されているようで、駅前などにずらっと並んでいます。

自転車の借り方や料金システムはここもパリやバルセロナと同じ。パリのシステムをベースに各都市が導入したようです。

観光スポットの近くの駐輪場などは、早朝はずらりと並んでいた自転車がほとんど残っていないことも。地元民だけではなく観光客にも使いやすいシステムになっています。

  • 基本的な操作法と注意書きがハンドルにプリントされている。

  • クレジットカードを入れて登録する

  • 1年間30ユーロ、1週間7ユーロ、1日1.5ユーロ

  • 自転車のロックシステムはパリと同じ

ロンドンのコミュニティサイクル

ロンドンのコミュニティサイクル。バークレー銀行が
スポンサーで、「バークレイズ・サイクル・ハイヤー」という。

ロンドンでもコミュニティサイクルは定着し、地元民や観光客に愛用されています。

もともとロンドンの街は狭い道が多いため、名物の二階建てバスなどは通るのが大変なところもかなり多くあります。だから小回りのきく自転車はこの街には最適。

しかし、いまのところコミュニティサイクルの設置規模はパリやバルセロナのように多くはないようです。

きめ細かな地下鉄網とバス路線の公共交通が発達しているので、コミュニティサイクルはそれほど重要視されていないのかもしれません。

  • 料金システムはパリと同じようなもの

  • エリアはパリほど広くはない

他の交通機関との連携で生きるコミュティサイクル

各国のコミュニティサイクルの利用状況を見て感じたのは、コミュニティサイクルが、都市の公共交通手段の一部としてきちんと組み込まれているということです。

郊外から中心部に行く時は自分のクルマでは行かない。なぜなら駐車違反の取り締まりは厳しいし、駐車場探しは大変だし、しかも駐車料金も高いから。

ならばどうするか。地下鉄やバス、LRT(次世代の路面電車)などを使って街の中心部まで行き、その後の移動はコミュニティサイクルか徒歩で。というスタイルが定着しているようでした。

クルマを我慢するのではなく、乗らないのが一番安上がりで便利だからです。

そのためには、自転車関連のシステムだけではなく、バスや地下鉄など他の公共交通機関との連携、充実があって、初めて都市の交通問題の解決策になるのだとの感想を得ることができました。