第31回「自転車が人にできること」展に行ってみました。Vol.2

緊急用浄水装置付き自転車も

奥のスペースに足を踏み入れると、自転車の後ろの部分にケースが装着され、そこからホース様の物が伸びている自転車に目が止まりました。

担当者に聞くと、塩素殺菌機能付き自転車搭載型緊急用浄水装置とのこと。

震災などで断水してしまった場合、お風呂の汲み置きなど汚れた水を装置で浄化し、飲み水にしてしまうという自転車だということです。

自転車は浄化装置の動力を起こすためのもの。

停電も重なってしまった場合、外部からの電力なしに自家発電で水を確保できるというのは、素晴らしい考え方だと感じました。

この自転車に興味を持つ人は多く、熱心に担当者の説明を聞く人の姿が見られました。

このほか、神田神保町の古書店で30年近く使っているというレトロな魅力を放つ自転車はいまだに現役とのこと、感動です。

また、特別展示として、世界1周を旅してきた自転車(翼号)が披露されていました。

この翼号はアドベンチャーサイクリストの梶政雄さんが5年半をかけ、69か国約8万8000キロメートルを走破した自転車の実物。

自転車の前後左右にくくり付けられたバッグや自転車本体から、世界を駆け抜け、風雪に耐えてきたてきた“誇り”を感じることができ、その存在感と迫力は他の自転車たちを圧倒していました。

頼るべきは自らの人力というエネルギー

以上、さまざまな自転車の可能性を見てきたのですが、私が強く感じたことは、将来的に残り続けることができる移動の道具は唯一、自転車だけなのかもしれない――ということでした。

自転車というと限定しすぎですが、つまり、人力で動かす軽車両と言い換えてもいいかもしれません。

ガソリンなど化石燃料に代わる電気自動車などの普及が進む一方、かつてのように電気エネルギーをふんだんに使うことができないという状況が既にやってきています。

そうなった時、頼るべきものは人力です。

ほんの百数十年前までは、馬や牛のほかは、人力だけが移動の手段という時代が長く続いてきたのです。

持続可能な発展を目指す人類の鍵を握っているのは、意外にも私たちにとって身近な自転車なのかもしれません。