風疹の流行を防げ!

2014年3月13日

一時は収まっていたはずの風疹が、再び流行しようとしています。妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんに障がいが出る恐れのある病気です。妊婦さんだけではなく、周囲の人も予防することで、先天性風疹症候群のリスクを減らしましょう。

妊婦さんに怖い風疹という病気

風疹は、発熱、発疹、リンパ節の腫れなどの症状を特徴とするウイルス性の発疹症です。典型的な症状としては、まず発熱、その後小さく赤い発疹が顔に出て、全身に広がります。耳の後ろなどのリンパ節が腫れて痛むこともあります。
高熱が出る場合もありますが、15%から30%は感染しても症状が出ないケースもあります。
風疹が怖いのは、妊娠初期(20週頃まで)の妊婦さんがかかると、生まれてくる赤ちゃんに「先天性風疹症候群」という障がいが出る可能性があることですが、症状のでない風疹の場合、知らないうちに回りにいる妊婦さんに風疹をうつしてしまうということもあるので注意が必要です。

先天性風疹症候群とは

母親が妊娠初期に風疹にかかった時に、お腹の赤ちゃんに出る障がいはさまざまです。
代表的なものは、先天性心疾患、難聴、白内障などです。先天性心疾患と白内障は妊娠初期3カ月以内に母親が感染した場合に現れますが、難聴は初期3カ月だけではなく、次の3カ月の感染でも現れます。
またそれらの症状以外にも、網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞、小眼球などさまざまな障がいが出る可能性があります。

一時は収まっていた流行

風疹は、1990年代までは、5、6年ごとに大規模な流行がありましたが、幼児への予防接種が行われるようになってから、大規模な流行はなくなりました。
しかし、2011年にアジアで大規模な流行があり、海外で感染した人が帰国した後に風疹を発症するという現象が起きました。また、風疹にかかった人が会社に行き、職場の人が感染するという悪循環で、職場で集団感染するという事態となり、2010年に87人だった患者数は、2012年には2392人、2013年には14000人を越えました。
風疹は子どもの病気と思われがちですが、現状は9割が成人で、男性が女性の約3.5倍と多くなっています。男性は20~40代に多く、女性は20代に多いという傾向もあります。
風疹は主に春に流行するといわれていますから、これからの季節、特に妊娠する可能性のある年代の女性は注意が必要です。

念のため風疹の検査を

妊娠している女性が風疹に感染した場合、先天性風疹症候群が発生する確率は、妊娠1カ月で50%以上、2カ月で35%、3カ月で18%、4カ月で8%程度です。
また15%程度は症状がでないまま感染している場合があるので、念のために検査を受けた方がいいかもしれません。
胎児が風疹に感染しているかどうかは、胎盤絨毛や臍帯血、羊水などの中に風疹ウイルスの遺伝子があるかどうかを検査することで調べられます。
母体が風疹に感染した場合、胎児までが感染する割合は全体の3分の1。さらにそのすべてに先天性風疹症候群が現れるのではなく、何らかの症状が現れるのは感染した胎児の3分の1程度だといわれています。

周りの人もワクチン接種を

風疹を予防するには、ワクチンで免疫を付けることです。とくに妊娠の可能性がある年齢の女性で、風疹の免疫がない人は積極的にワクチン接種を受けるようにしましょう。
ただし、妊娠中にはワクチンを接種することはできません。ワクチンを接種する前に、自分が妊娠していないかきちんと調べる必要があります。
妊婦さんと接触する可能性のある周囲の人で免疫のない人は、風疹にかからないようワクチン接種を受けましょう。
「自分は子供の頃、ワクチン接種をしたから大丈夫」という人もいますが、実際は一度の接種だけでは抗体が充分に作られないケースもあるそうです。そのため今の子どもたちは2回のワクチン接種を受けていますが、平成23年4月1日以前に生まれた人は、子供の頃のワクチン接種は1度だけでした。
この条件に当てはまる、特に女性で妊娠を希望している女性は2回目のワクチン接種を受けてほしいと、専門家は呼びかけています。