2014年をシェアサイクル元年に!

2014年1月24日

ヨーロッパで進んでいるシェアサイクル

2009年から始まったシェアサイクルという試み。長い助走の期間を経て、いよいよ本格的な導入へと動き出しています。

“共有”という考え方が新しい

1台の自動車を共有して使うカーシェアリング(自動車の共有システム)が駐車場やガソリンスタンドなどを利用して少しずつ普及してきています。
公共交通機関が発達していて、車を毎日使う必要のない都市部では、高い駐車場代などの維持費を払って自分の車を持つより、面倒な手続きなしで必要な時だけ自由に使えるカーシェアリングの方が経済的で合理的です。
ただ、カーシェアリング用のクルマを置いておく場所は広いスペースを取れるわけではないので、1台とか2台程度であり、1回に利用できる人はどうしても限られてきます。また車の使用料もバカにはなりません。

それに比べて、シェアサイクル(自転車の共有システム)では、1台あたりに取られるスペースも小さいので、多くの自転車を用意しておくことができ、安い料金でたくさんの人が利用できます。
都市の移動手段として考えるなら、近距離を安く早く、排気ガスなどで環境に負荷をかけることなく移動できるシェアサイクルは優れたシステムと言えるでしょう。
また、多くの人が自分の自転車を持たないようにして、シェサイクルを利用するようになれば、駅前の放置自転車問題もずいぶんと改善されるでしょう。

パリから始まったシェアサイクル

ヨーロッパでは2007年にパリで「ヴェリブ」というシェアサイクルのシステムが始まり、その後ヨーロッパの多くの都市に普及しました。
「ヴェリブ」のシステムは、クレジットカードを登録して貸出し用のカードをつくってもらい、そのカードで認証してサイクルポート(駐輪場)から自転車を借出し、使い終わったらまたサイクルポートに返却するというものです。カードの他に1日券、1週間券もあります。
使用料は30分以内なら無料、それ以後は60分までは1ユーロ加算、90分なら2ユーロ加算、120分まで4ユーロ加算となります。つまり長い間占有していると割高になるシステムにして、短時間で返却させ、多くの人が利用できるようにしているのです。
ヴェリブのサイクルポートは300mごとにあり、2008年時点で市内に1500カ所、2万台の自転車が配置されています。
ヴェリブが成功することで、ヨーロッパでは続々とシェアサイクルを導入する都市が増えて行きました。

いよいよ日本でも本格的なシェアサイクルが

都市の交通手段として、電車やバスなどの公共交通機関とシェアサイクルを組み合わせることで、自動車に過度に依存しない交通体系を実現するという試みは日本でも行われてきました。
2009年には東京の大手町・丸の内・有楽町を結ぶエリアや札幌市の中心部で社会実験が行われました。また札幌のシェアサイクルはその後、民間主体の事業会社が設立され「ポロクル」という愛称で定着しています。

現在、日本ではさまざまな地区や都市でシェアサイクルを導入する試みが行われています。 東京都江東区の臨海部エリアや横浜市、仙台市などでは住民の足としての需要の他、その街を訪れた観光客にも使ってもらえるようなシェアサイクルの取り組みも。また、東京の郊外の駅では駅と大学を結ぶ便利な交通手段として定着しているケースもあります。

日本のシェアサイクルはまだまだ規模が小さく、大きなものでも300台、20数カ所程度のポートで運用されています。もっと多くの人に認知され、利用してもらうには、今後は自転車の台数もポートの数も増やして、利便性を高めていく必要があるでしょう。
また東京オリンピックを前に増加する外国からの観光客も使えるような分かりやすいシステムにして行くことも大切です。

欧米のように数千台以上の自転車と数百カ所のポートをを備えた本格的なシェアサイクルシステムの導入を目指して、今年、日本シェアサイクル協会が発足します。
2014年が“社会実験”から“シェアサイクル元年”の年になることを願ってやみません。