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2018年9月5日

ペットの健康支える動物看護師

「公的な資格にしてほしい」 
医療現場で人手不足が深刻

日本獣医生命科学大学付属動物医療センターで、犬の健康状態を調べる動物看護師の北原さん(左)と左向獣医師=8月 東京・武蔵野市

動物病院などで獣医師とともにペットの健康を支える動物看護師が不足している。空前のペットブームともいわれる中、犬や猫などを家族の一員と考える飼い主が増え、人間同様に高度な医療を求めるようにもなっている。だが、動物看護師は公的な資格ではなく、民間団体が認定している。動物看護師の働く現場を訪ねた。

「こんにちは。調子はどうかな」。動物看護師の北原美帆さんは犬に優しく語り掛けながら、体温や心拍数、呼吸数など健康状態を手際よく確認していく。これは、東京都武蔵野市にある日本獣医生命科学大学付属動物医療センターで行われている動物診療の一コマだ。同センターでは、獣医師約50人と、動物看護師15人が診療に当たっている。

動物看護師は、獣医師による診察や治療の補助が大きな役割だ。手術時には医療器具の準備や助手、入院する動物のケアなども行う。また、飼い主への診察前の問診や、治療内容の報告など、獣医師と飼い主の橋渡し役も担う。

愛犬を入院させていた女性は、「面会時に犬の個性や症状を的確につかみ、治療へとつなげる看護師の姿を見て安心して任せることができた」と振り返った。

同センターには、病気やケガに苦しむ犬や猫が飼い主に連れられて来る。それも、一般の動物病院では扱いが難しい症状の重いペットたちだ。毎日、30件ほどの診察と、4、5件の手術を行っているという。現在、16匹が入院中だ。同大学の獣医保健看護学科の学科長も務める左向敏紀獣医師は、「栄養や飼育環境が改善されペットの寿命も伸びた分、生活習慣病や、がんなどが増え、高度な獣医療が求められている。専門的な知識がある動物看護師の必要性は高まっている」と語った。

一方、東京・江東区の「まつばら動物病院」にも連日、多くのペットが受診に訪れる。獣医師6人と動物看護師5人が一日に30、40件の診察に当たるが、フル稼働の状態だという。手術は、月に約30件。その約7割が避妊・去勢手術だ。

同病院の動物看護師は、飼い主に対して、日頃のしつけや健康管理についてのアドバイスも行っている。同病院の安藤義史獣医師は「人手不足の中、忙しい現場を切り盛りする動物看護師の存在は大きい。動物看護師が果たしている役割を、多くの人に知ってもらいたい」と語った。

海外、政府認定の職業 日本では民間統一試験

動物看護師になるまで

ペットフード協会の推計によると、2017年に全国で飼われている犬・猫の数は約1844万匹に上る。しかし、動物病院は1万1839病院(17年12月現在)しかない上、そこで働く資格を持った動物看護師は約2万人にすぎない。

また、動物看護師の資格はこれまで、複数の民間団体が個別に認定していたが、求められる知識などにばらつきがあったため、動物看護師統一認定機構による認定試験が13年から実施されるようになり、資格が「認定動物看護師」に一本化された。現在、9大学67専門学校で同試験に向けた共通のカリキュラムが取り入れられている。

一方、海外ではアメリカやイギリス、オーストラリアを中心に動物看護師の国家資格化が進んでいる。特にオーストラリアでは、動物看護師は社会的に幅広く認知されており、州立専門学校の認定コースを終了することで政府認定の動物看護師となる。日本動物看護職協会の横田淳子会長は、「海外では専門知識を持った動物看護師が活躍しており、獣医療の質向上にもつながっている。日本でも動物看護師の公的資格化を実現してほしい」と語った。

公明、プロジェクトチーム設置

公明党は動物看護師の公的資格化をめざしている。今年5月には、党内に「『動物看護師』の公的資格化検討プロジェクトチーム(PT、座長=中野洋昌衆院議員)」を設置。日本獣医師会や日本動物看護職協会などからヒアリングを行うとともに、関係省庁と議論を進めている。

中野座長は、「人間の医療では、医師や看護師、理学療法士など多くの国家資格があるが、獣医療に関する国家資格は獣医師のみ。獣医療の質の向上をめざし、取り組みを後押ししていく」と語っている。

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