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台風21号 各地で猛威
暴風、大雨、高潮 公明、対策本部を設置
台風21号は4日正午ごろ、非常に強い勢力で徳島県南部に上陸し、午後2時ごろ神戸市付近に再上陸した後、強い勢力となって京都府舞鶴市沖の日本海へ抜けた。近畿や四国、東海、北陸を中心に猛烈な風雨となり、近畿沿岸では高潮が発生。気象庁は厳重な警戒を呼び掛けた。
21号は4日夜から5日朝にかけて日本海の東北・北海道沖を北上し、温帯低気圧に変わると予想される。台風が非常に強い勢力で上陸したのは1993年の台風13号以来、25年ぶり。
最大瞬間風速は、関西国際空港で4日午後1時40分ごろに58.1メートル、和歌山市で同1時20分ごろに57.4メートルを観測。兵庫県淡路市では同1時10分ごろまでの1時間に85.5ミリの猛烈な雨が降った。
5日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で、東海300ミリ、関東甲信200ミリ、北海道180ミリ、北陸と東北150ミリ、近畿100ミリ。
台風21号の影響で、4日は各地で交通の乱れが相次いだ。東海道新幹線は強風と停電のため、午後2時ごろから全線で運転を見合わせ。日本航空と全日空は国内線と国際線で計650便が欠航し、計約6万3400人に影響が出た。
JR東海によると、東海道新幹線は米原―京都間で起きた断線により停電が発生。他にも名古屋―新大阪間の沿線に多くの飛来物があり、復旧には相当程度の時間がかかる見通しという。
JR西日本によると、山陽新幹線は新大阪―広島間で運転を見合わせていたが、午後から岡山―広島間で運転を再開した。京阪神地区の在来線全線の運行取りやめは夜まで続いた。
台風21号の進路となった地域で4日、公明党は各府県代表を対策本部長とする災害対策本部をそれぞれ設置し、被害の把握や対応に当たった。
関空、再開見通せず
関西国際空港は台風21号による高潮の影響で滑走路が水没し、閉鎖する事態となった。浸水はターミナルビルなどの施設にも及び、空港を運営する関西エアポートは「再開は見通せない」と説明している。
台風の影響で、空港と大阪府南部を結ぶ鉄道は運転を見合わせ、道路も通行止め。さらに、タンカーが対岸を結ぶ連絡橋に衝突したことによって、橋の安全性確認も必要になっている。
関空では、旅客機の発着が1日平均で460~470便。貨物機も同40便程度あり、閉鎖時間が長引くほど影響が大きくなる。
埋め立て地で、比較的低い地盤の関空。国土交通省航空局は「ここまでの浸水は初めてではないか」と話した。