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【主張】ICTの活用 生活の利便性向上につなげたい
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、人と人との接触を避ける生活が求められている中、注目されているのが「デジタルトランスフォーメーション」(DX)だ。日本社会の進歩を促す考え方であると言っても過言ではないだけに、その実現に向けた動きを本格化させることが重要である。
デジタルとは、生活に必要なあらゆることがデータ化され、コンピューターで扱えるようになった状態である。デジタルでのやり取りを活発化させているのが、インターネットなどの情報通信技術(ICT)だ。
そして、DXは「ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化(トランスフォーメーション)させる」ことを意味する。スウェーデンにあるウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が、2004年に提唱した考え方だ。
新型コロナウイルスの感染予防策として、パソコンやタブレットを使用し、会社に出社せずに自宅などで仕事ができるテレワークを導入する企業が増加するなど、ICTの活用が急速に進んでいる。
こうした状況を踏まえ、経団連は11日、DXの促進を提言。新型コロナウイルスの感染が終息したとしても、多様な働き方に合わせたテレワークの活用などを一層進めるよう、各企業に求めた。
テレワークを導入する企業が増えているといっても、紙の契約書や証明書に印鑑を押すため出社を余儀なくされるケースも、依然多い。
こうした課題が残る限り、DXは実現できない。DXは、ICTを活用するだけでなく、それにより、人々の生活の利便性が実際に高まることが重要であるためだ。
また、新型コロナウイルスに感染した患者の発生の報告が手書きの文書とファクスで行われており、集計が混乱するということもあった。そもそも、ICTの活用が遅れている分野も少なくない。
経済協力開発機構(OECD)によると、加盟37カ国の中でも、日本は職場のデジタル化が遅れている国であるという。新型コロナウイルスの感染予防策としてのICTの活用の進展を機に、この状況を抜本的に変えたい。









