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2018年9月3日

【主張】AI兵器 手遅れになる前に規制・禁止を

西暦3404年、人類は自らの支配を電子頭脳に委ねていた。だが、電子頭脳同士の争いで核戦争がぼっ発、ついに人類は滅亡する――。

50年前、手塚治虫が漫画『火の鳥』で描いた地球の未来の姿だ。そんなおどろおどろしい世界が今、現実のものになりつつあるとしたら……。手遅れになる前に、急ぎ対策を講ずる必要がある。

人工知能(AI)を搭載した新型兵器「キラー(殺傷)ロボット」の規制のあり方などを巡り、スイスで開かれていた国際会議が閉会した。

会議には80以上の国や非政府組織(NGO)の代表らが参加。「キラーロボットはもはやSFの世界の話ではない」といった声が相次ぐ一方、各国の立場の違いも浮き彫りになり、具体的な成果は得られなかったようだ。

「米国や中国などで開発が進む」(国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ=HRW)現状にあっては、多くを期待すること自体、初めから無理だったと言うべきか。残念というほかない。

AI兵器は「自律型致死兵器システム(LAWS)」とも呼ばれるが、その“完成型”はまだない。

ただ、米空軍の遠隔操作型無人機「プレデター」など、前段階のLAWSは既に実戦配備済みだ。人間が介在しない完全自律型のAI兵器の登場は時間の問題だろう。

火薬、核爆弾に次ぐ「第3の革命兵器」といわれるAI兵器がもたらす恐怖は多岐にわたる。

システムの不具合による一般市民の殺傷、テロ組織への拡散、ロボットが人命を奪うことの倫理的問題とその責任の所在の不確かさ等々だ。「人間不在の戦い」ということで罪悪感が薄れ、結果的に戦争が多発する恐れもある。

まさに世界の安全保障は一変し、戦争の悲惨さが極限化することになろう。

肝に銘じたいのは「開発されてからの規制、禁止は難しい」(HRWのケネス・ロス代表)ことだ。

残された時間はない。今こそ世界の良心と英知を結集し、あらゆる手法でこのモンスターの登場を食い止めなければならない。AIの民生利用で技術立国をめざす日本の役割は小さくないはずだ。

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