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2018年8月29日

【主張】アレルギー疾患 成長期の「連鎖」発症は深刻だ

花粉症などさまざまなアレルギー疾患を抱えている人は国民の2人に1人の割合に上る。中には重篤な症状に苦しむ人も少なくない。対策を一層強化する必要がある。

現在、政府の有識者会議ではアレルギー疾患を克服するため、長期的な研究戦略の策定に向けた議論が進められている。

具体的には、気管支ぜん息やアトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど六つの疾患を対象に、10年間にわたって重点的な研究を行い、根治的な治療法の開発につなげていく方針を示している。

アレルギーの原因となる物質の特定や症状を抑える医薬品の開発は進んでいるが、多くの疾患で、完全な治癒をめざす根治療法はいまだ確立していない。それだけに、この課題に政府が本腰を入れて取り組む意義は大きい。

とりわけ期待したいのは、「アレルギーマーチ」の予防や治療法の開発につながる研究である。

アレルギーマーチとは、乳児期に食物アレルギーを発症した子どもが、成長するに従ってアトピー性皮膚炎や結膜炎、ぜん息などのアレルギー疾患を連鎖的に発症する現象のことだ。日本の小児科医が、行進(マーチ)のように次々と症状が現れることに由来して初めて提唱した概念で、今や、世界中で受け入れられている。

物心がつく前からアレルギーに苦しみ、さまざまな制約の中で成長期を過ごすことを余儀なくされる本人の苦悩や家族の負担は計り知れない。患者や家族の意見を十分踏まえつつ、産学官のあらゆる力を結集して対策を急ぐべきである。

これほどアレルギーマーチの実態は深刻でありながら、医学的な知見は十分ではない。アレルギーマーチの状態にある人は、症状に応じて診療科がその都度異なるため、特定の対象集団を追跡して研究することが難しいのが一因だ。成人が発症するアレルギー疾患とアレルギーマーチとの関係性も判明していない。

この点、治療法の開発に向けた研究は当然として、1人の患者を継続的に診ることができる医師の育成や医療機関の整備についても検討が必要であろう。

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