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2020年5月10日

潮流2020 新型コロナ「第2波」に警戒

長期戦見据え冷静な行動を 
昭和大学客員教授 二木芳人

政府は新型コロナウイルス感染拡大による「緊急事態宣言」の期限を、今月31日まで延長することを決めた。

4月下旬以降、全国的には新規感染者数の増加が落ち着きつつある印象だが、ここで気を緩めると「第2波」は確実に訪れる。北海道は2月末に独自の緊急事態宣言を出し、感染者の増加を抑え込んでいたが、このところ増加に転じており、明らかに感染の「第2波」に見舞われている。東京を含む首都圏などでは、医療提供体制は依然、逼迫した状況であり、今後、さらなる外出自粛や一部業種の休業をもって、感染者の増加を食い止めなければならない。他方、13の特定警戒都道府県以外の地域では、感染が小康状態にある地域もあり、それら地域では今後、一部の規制が緩和される可能性も高い。しかし、性急な規制緩和は感染症の再活性化を招く危険性もはらんでおり、緩和は慎重になされるべきだろう。

ワクチンについては、米国や英国で有望なものが準備されつつあり、日本でも積極的な取り組みが開始されているが、それらが手元に届くまでには、かなりの時間を要するだろう。しかも新型コロナは、1度感染しても抗体が形成されないケースがあると言われる。完璧なワクチンで、かつ、それが世界中の人々に行き渡るためには少なくとも3年は要するのではないか。治療薬も「アビガン」や「レムデシビル」の効果が期待され、後者は7日に承認が得られたが、それぞれ副作用の問題も指摘されており、慎重な評価が今後も必要だろう。安全で安価な新型コロナ用の治療薬が開発されるまでには、やはり相当の時間が必要だ。

これらを踏まえると、当然、長期戦を覚悟しなければならない。PCR検査の件数も、飛躍的に上げることが難しい現状で私たちがとれる行動は、従来通り「密閉」「密集」「密接」を避け、人との接触を8割減らすことだけだ。政府はこの感染症との長い付き合いを想定して、感染防止を意識した「新しい生活様式」も提案しているが、課題も多そうだ。日本は「要請」という形で住民に外出自粛を呼び掛け、海外のように厳しい罰則がない中でも、ある程度の効果を示せている。一方で次の波に備え、検査のあり方も再検討する必要がありそうだ。新しい検査技術の導入、海外との協力体制の模索なども一つの選択肢ではないか。

各地で医療崩壊も懸念されている。感染者が急増すると、院内の人員がそちらに割かれ、本来は助かる命も助からなくなる。医療の質を担保するためにも、気を緩めず、今後も人との接触を避けていただきたい。人類は長い歴史の中で、さまざまな病原菌と闘い、勝ち越えてきた。新型コロナとの闘いも、時間は要しても必ず勝てるはずだ。政府や専門家が発する情報を冷静に受け止め、長期戦に備えることが大事だ。それが今後の第2、第3の波を小さくすることにも通じる。

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