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2018年8月27日

【主張】武器貿易の課題 紛争地での流用をどう阻むか

合法的な武器貿易で取引されたはずの通常兵器が、いつの間にか犯罪集団やテロリストの手に渡り、また、紛争地で使われている。

これは見過ごすことのできない問題である。先週、東京で開催された武器貿易条約(ATT)第4回締約国会議の最終報告書の中で、目的外使用に当たる流用の防止に取り組むことが合意された。今回の議長は日本の高見沢将林軍縮大使であり、政府は率先して武器貿易の透明化を推進する必要がある。

ATTの目的は、戦車、戦闘機、軍艦、小型武器など通常兵器の不正取引を防止するための輸出入規制である。そのため、違法な武器貿易の基準は明確で、国連安保理決議に反する場合の武器移転と、非人道的・人権抑圧的な結果になる危険性が高い場合の武器輸出を認めていない。

しかし、流用防止については明確ではなく、どのようにチェックすれば効果が上がるかも明らかではない。

今回の会議でも、どの段階で流用されているのかとの質問に対し、専門家から「移転前、移転中、移転後のどの時点と明言できない。あらゆる段階に流用のリスクがある」との見解が示された。

ATTの下で流用を着実にチェックするには、まず、締約国に課されている年次報告書の提出を厳格に進める必要がある。報告を通して少しでも武器貿易の姿が透明化されれば、不法な武器が紛争地にあふれている現実とのギャップが明確になり、流用の実態解明にも役立つ。

しかし、この報告制度についてATTは「商業上機微な情報、または、国家の安全保障に関する情報を含めないことができる」と定め、何を報告しないかを締約国の判断に任せた。そのため、実効性ある報告制度にするには、「武器の不正取引は許さない」との締約国の強い自覚が要請される。

武器の不正取引を阻む方法として、国際社会が考えた仕組みの一つが武器移転の透明化で、2014年発効のATTはその柱である。締約国はまだ97カ国で、武器輸出大国の米ロ中3カ国は未締結だ。ATT成立を主導した日本は、3カ国の参加に向け努力する必要がある。

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