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【主張】障がい者の暮らし 支え手を守る取り組みも重要
新型コロナウイルス感染拡大に伴う生活の変化で、障がい者がさまざまな困難に直面している。社会的に制約が多い中、どうすれば負担を軽減できるか知恵を絞りたい。
障がい者に困っていることを聞いた民間調査によると、聴覚障がい者に多かったのが「マスクによるコミュニケーションの悪化」。相手の口の動きを読み取れないからだ。他に「物を触って確認することが多いため感染が心配」(視覚障がい者)、「車いすでは届かない高さに消毒液が置かれている」(肢体不自由者)などの声も上がった。
筆談に応じることや消毒液を設置する位置を低くするなど、少しの配慮ですぐに解消できる問題も多い。一人一人が障がい者の目線に立った対応を心掛けたい。
支え手の健康を守ることも重要だ。
障がい者の介助は、感染防止に必要な距離の確保が難しい。安心して介助できる環境がなければ支え手が不足し、障がい者が日常生活を維持できなくなる恐れがある。
実際、視覚障がい者がガイドヘルパーの同行を受ける国の福祉サービスを利用できず、買い物などの外出が難しくなっている。感染を恐れて仕事を控えるヘルパーや依頼を自粛する利用者が増えているためだ。
厚生労働省は4月28日、ヘルパー単独での買い物代行にも公費負担を認める事務連絡を全国の自治体に出した。支え手の不安を払拭し、視覚障がい者の暮らしを守る柔軟な対応と言えよう。
また、これまで政府の会見に同席する手話通訳者は聴覚障がい者への配慮からマスクを着用していなかったが、30日午前の官房長官会見から、顔を覆う透明なマスク「フェイスガードシート」の着用を始めた。気兼ねなく仕事ができるよう、公明党の山口那津男代表と製造業者が首相官邸に贈呈していたものだ。
インターネットの活用も進めたい。冒頭の調査を実施した民間企業は4月中旬から、聴覚障がい者が参加するテレビ会議やオンライン面接を行う企業に対し、リアルタイムで手話や文字通訳をするサービスを開始した。こうした取り組みが広がることを期待したい。









