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2020年4月24日

コラム「北斗七星」

ナチス下のアウシュヴィッツ強制収容所には、秘密の図書館があった。蔵書は『世界史概略』など8冊。14歳の少女ディタは、床下や内ポケットにそれらを隠し、命懸けで守る。実話を基にした『アウシュヴィッツの図書係』(アントニオ・G・イトゥルベ著、集英社)だ◆狂気と絶望の世界で、ディタは本を貸し出すことの意味を見失いそうになる。だが、本に触れた仲間たちの希望に満ちた瞳に、自らの使命を知った。「本を読んでいる時、心は自由」「図書館は暗闇の中のマッチ箱」と◆きのう、「こどもの読書週間」(5月12日まで)が始まった。一斉休校の中で迎えた今年の標語は、「出会えたね。とびっきりの1冊に。」◆友人と学ぶことも、遊ぶこともできない。つらくない訳がないと思うが、静かな時間は思索を深める機会でもあろう。ニュートンも、ペスト禍で大学が休校になった1年半の間に、万有引力の発見など三大業績を成し遂げた。「驚異の諸年」とも、「創造的休暇」とも呼ばれる◆立命館アジア太平洋大学の出口治明学長は、人を成長させるものは「人・本・旅」と語る(本紙1月5日付)。人に会えず、旅にも出られないが、本がある。幸い、持て余すほどの時間もある。大型連休は、「とびっきりの1冊」に出会えるチャンスかもしれない。(也)

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