ニュース
軽症者らのホテル療養
症状急変、発見素早く
「パルスオキシメーター」配備
東京都が決定
東京都は、新型コロナウイルス感染症の軽症・無症状者のホテルなどでの療養に関して、症状急変を素早く発見するため、血中酸素飽和度(動脈血酸素飽和濃度)と脈拍数を自動測定する「パルスオキシメーター」の配備を決めた。15日発表の2020年度補正予算案に計上した。同メーターの活用は、現場で治療に当たる医師の声を出発点に、公明党が提案し、国会議員と都議が連携して強力に推進してきた。
パルスオキシメーターは、指先に挟むように装着することで、採血せずに動脈に含まれる酸素の量をリアルタイムで測定できる。
新型コロナウイルス感染症は、感染早期の段階で比較的症状が軽くても、突然、病状が急変して重症化する傾向が見られ、その際には血中酸素飽和度が低下するとされる。同メーターにより、軽症・無症状者の血中酸素飽和度を連続的に計測することで、重症化の兆候を素早く察知し、医療機関への搬送につなげられると期待されている。
公明、現場の声から政府や都に提案
同メーターを巡っては、最前線で治療に当たる医師から、党青年委員会に対し、軽症・無症状者が療養するホテルへの配備の必要性を指摘する声が寄せられていた。これを受け、党内で専門家らの見解を聞き、6日の党対策本部(本部長=斉藤鉄夫幹事長)の会合で、山口那津男代表が、重症化の恐れがある人の素早い発見へ「重症化の目安が分かるとされるパルスオキシメーターをホテルなどに常備して簡易に計測し、医療機関に搬送できる態勢を併せて整えてもらいたい」と政府側に要請していた。
公明党の訴えを踏まえ厚生労働省は、7日付で「軽症者等の療養に関するQ&A」を発表し、「宿泊施設に適切な数のパルスオキシメーターを備え付け、酸素飽和度や呼吸数の確認により健康状態を把握することが重要」と明記した。
東京都では、都議会公明党(東村邦浩幹事長)が10日に行った小池百合子都知事への緊急提言に盛り込み、配備を提案。15日発表の2020年度補正予算案に必要経費が計上された。