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2018年8月6日

西日本豪雨1カ月(上)

復旧阻む大量の土砂 
被災住民 疲労の色濃く

今なお土石流の生々しい爪痕が残る被災地。炎天下の復旧作業が続けられている=4日 広島・坂町小屋浦地区

広域にわたる土砂災害や水害により、14府県で計219人の死者を出した西日本を中心とする豪雨災害は、最初の大雨特別警報が出てから、きょう6日で1カ月。酷暑の中、9府県で今も約3700人が避難所生活を余儀なくされている。甚大な被害が出た広島、岡山の両県では、復旧作業が急ピッチで進むが、容赦なく照り付ける8月の日差しのもと、被災住民は今なお、土砂とがれきと粉塵の中で悪戦苦闘を強いられている。

「いつ終わるのか見通せず」

「あの夜、土砂が家の中に流れ込んだ。玄関の扉は開けられず、割れた窓の隙間から逃げ出し、裏山を駆け上がった。助かったのは奇跡だ」。広島市安芸区矢野東の住宅団地「梅河ハイツ」に住む男性(73)は、無残に押しつぶされた自宅を見つめながら嘆息した。この地区では大規模な土砂崩れが発生し、山際にできたばかりの治山ダムを土砂が乗り越えて、民家を直撃。6人が犠牲となった。

広島県の住宅被害は、全・半壊が約2600戸、床上・床下浸水が約7600戸に及ぶ。被災地の中には被害があまりにも激しく、ようやく重機が入り、復旧作業が緒に就いたばかりといった場所が少なくない。

同県坂町小屋浦地区では、背後の山で土石流が多発し、15人が亡くなった。谷筋にある石積みの砂防ダムは完全に破壊され、大量の土砂が民家を押し流した。

同地区では今も、土砂に埋まった車や粉々に砕かれた家屋が残り、中には1階の天井近くまで土砂で覆われた家もある。自衛隊などにより道路に堆積した土砂を取り除く作業が行われているが、民有地内の撤去が進んでいない。実家の片付けに来たという鈴木健一さん(56)は「家族総出で取り組んでいるが、いつ終わるのか。まったく見えん」と表情を曇らせる。

11人が犠牲となった同県呉市天応地区。生活道路や河川が破壊され、街は原形をとどめていない。大量の土砂で大型重機は入れず、重さが数トンもある「コアストーン」と呼ばれる巨大な岩が至る所に転がり、流木が民家に突き刺さっている。街そのものを造り直さなければならない状況だ。

連日の猛暑の中、全国から集まったボランティアは、献身的な活動を続けている。しかし、被災地が広範囲に及ぶこともあり、思うように集まらない地域もある。同地区に住む松島信彦さん(71)は「高齢者だけでは何ともならん」と疲労感をにじませる。

一方、4000戸以上が浸水し、51人が亡くなった岡山県倉敷市真備町地区では、小田川や決壊した支流の堤防の応急工事が完了したばかり。今後、国は本流の水位上昇が支流の流れをせき止める「バックウオーター現象」を解消するため、高梁川と小田川の合流点を付け替える工事を前倒しする。それでも、「もうここには住めない」「ここでやり直すしかない」。被災住民は生活再建が見通せないまま、揺れ動いている。

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