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2018年8月2日

「離島留学」 島も子も生き生き

離島の小中学校に、島外の子どもが入学する「離島留学」が増えている。子どもたちは自然豊かな環境で伸び伸びと学べる一方、人口減少で児童・生徒の確保に悩む自治体側は、学校の存続に加え、地域活性化にも期待を寄せる。国の交付金を活用し、離島留学に力を入れる自治体を訪ねた。

児童ら 自然満喫、学習に意欲
自治体 人口が増え学校存続

夏休み直前のある日の夕方。新潟県北部の沖合に浮かぶ粟島(粟島浦村)の海辺に、馬に水浴びをさせる笑顔の子どもたちの姿があった。全員が島唯一の村立粟島浦小中学校に通う離島留学の子どもたちだ。

島の周囲はわずか23キロ。人口約370人の同村は、2013年度から「しおかぜ留学」として子どもの受け入れを始めた。対象は小学5年生から中学3年生で、全員が寮生活を送る。

村がしおかぜ留学を始めたきっかけは、「島の子どもが減り、学校存続への危機感からだった」(廣井洋介教育長)。現在、児童・生徒全26人のうち11人が東京や岩手などからの留学生たち。親の転勤で移住してきた子どもを含めると、島外出身者は半数を超す。

少人数の授業は、教員の手が細かく届く。同校の星和富校長は「留学生の保護者からは『学力が上がった』『子どもに積極性が出てきた』などの声が多く寄せられている」と語る。

体験学習にも力を入れており、留学生は牧場の馬の世話が日課。馬の生態や命の大切さを学ぶきっかけになっている。宮城県から来た中学2年の高橋初菜さんは、「島の人は皆さん親切で何でも教えてくれる。将来は獣医になって島で働きたい」とほほ笑んだ。

一方、長年、民宿「みやこや」を営む本保ミヤコさん(75)は、「子どもたちは島の行事に積極的に参加してくれる。しおかぜ留学が始まり、地域が目に見えて活気づいている」と実感している。

国が交付金 受け入れ広がる

離島留学に取り組む主な自治体

離島留学で児童・生徒を受け入れる自治体が広がっている。国土交通省が、16年度から離島振興法に基づく「離島活性化交付金」を拡充し、離島留学における自治体負担の半額を国が支援できるようになったからだ。交付金の対象は義務教育の小中学校に限られる。これを受け、離島留学を行う自治体は、15年度の9市町村から、18年度は19市町村にまで拡大している。

高校でも実施

一方、国の交付金の対象とはならないが、高校で同様の制度を導入する自治体が増えている。

例えば北海道奥尻町(奥尻島)は、17年度から町立奥尻高校で離島留学を開始。同校では、総合的な学習の一環で、「スキューバダイビング」の資格を取得できる。今年度は、19人の留学生が学ぶ。

また、長崎県壱岐市(壱岐島)は03年度から離島留学を始めた。県立壱岐高校には「東アジア歴史・中国語コース」が設置されており、今年度は26人の留学生が歴史学や中国語を専門的に学んでいる。

現在、離島にある全国10市町村で生徒を受け入れている。

事前の情報収集が重要

留学方法には、(1)島の寮に住む「合宿型」(2)島の住民の家から通う「里親型」(3)親子で島に移住する「親子型」(4)島にいる祖父母宅から通う「孫もどし型」――などがある。多くの自治体は合宿型と里親型を採用している。離島留学を希望する場合は、島での生活は都会とは大きく環境が異なるため、事前の情報収集が重要になる。

粟島浦村を例に挙げると、保護者負担は年間約56万円。留学期間は基本は1年間だが、継続することもできる。定員は毎年14人程度。希望者は東京都や新潟県などで行われる説明会に参加し、その後、島を訪れ学校や寮の見学と学校関係者との面談がある。夏休みなどには帰省する。

村は今後、40人を目標に留学生を増やしていく方針。

公明も強力に推進

公明党は2010年に「離島振興対策本部」を設置して以来、離島活性化を一貫して推進。150を超える離島を訪れ、住民の声を聞き取るとともに、12年6月に成立した改正離島振興法では「離島活性化交付金」を創設。16年度からは同交付金を離島留学にも活用できるようにするなど、後押ししてきた。

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