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新型コロナ 命守る行動を
接触8割減らし 1カ月で抑制可能
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7日深夜から東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象とした緊急事態宣言が発効した。厚生労働省対策班は、人と人の接触を8割減らせば、1カ月で流行を抑え込めると試算しており、安倍晋三首相は8日、「皆さまの協力があって初めて1カ月で緊急事態を脱出することが可能となる」と国民に向けて訴えた。一人一人の命を守る行動が強く求められる。
宣言は5月6日までの1カ月間。期間設定は対策班の西浦博・北海道大学教授(理論疫学)の試算に基づく。試算によると、接触を8割減らせば、2週間程度で効果が表れて感染者数が急激に減少に転じ、1カ月で流行がおおむね収束する。7割減にとどまれば、収束には3カ月を要する。
対策班が考える柱は、▽感染者の集団「クラスター」が発生しやすい場所での接触をなくす▽個人が会う相手を8割減らす▽社会機能維持に関わる業種を除き、企業が人の接触を段階的に8割減らす――ことだ。
今回の緊急事態宣言に関して、公明党の山口那津男代表は7日、「国民の意識の変化、いわば覚悟が深まることに期待したい」と述べている。
ポイント
▼ 仕事は原則自宅で。出勤者7割減に
▼ 三つの密(密閉、密集、密接)避ける
▼ 家族以外の多人数で会食しない
▼ 必需品の買い物、散歩などは問題ない
▼ 地方への帰省・旅行を控える
政府は事業者に対し、一部の職種を除き、オフィスでの仕事は原則自宅で行い、出勤が必要な場合は出勤者数を最低7割減らすよう要請。生活必需品の買い物など、やむを得ない外出時は、感染リスクの高い「三つの密(密閉、密集、密接)」を避けるとともに、家族以外の多人数で会食しないよう求めている。散歩やジョギングは問題ないとし、都市部から地方への帰省・旅行を控えるよう呼び掛けている。
感染者数の増加に伴い、感染経路が分からないケースも増えている。感染者数が国内最多の東京都では、4月1日から1週間の新規感染者673人の約6割が感染経路不明者だ。
厚労省対策班が3月30日に公表した分析結果によれば、東京の感染経路不明者の約3割が、行動歴から夜間にクラブやバーなどで感染した疑いがあった。
都の幹部は、行動範囲の広い若い世代にも感染が広がっているとして警戒を強め、引き続き外出自粛や「三密」回避の重要性を呼び掛けることで「感染の連鎖を断ち切りたい」と話している。
東京で最多144人感染
東京都は8日、新たに144人の新型コロナウイルスの感染が確認されたと発表した。都内の1日当たりの判明数で最多を更新した。95人は感染経路が不明だった。累計で1338人となった。
国内では8日、32都道府県で感染者が確認された。内訳は神奈川と大阪各43人、千葉33人、兵庫16人、石川15人、北海道と京都各10人など。神奈川県も、1日当たりの判明数で最多を更新した。
石川県では、金沢市内の病院に勤務する医師3人と入院中の女性1人が感染した。