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2020年4月7日

【主張】乳幼児虐待と冤罪防止 揺さぶられ症候群の診断的確に

親の子どもへの体罰を禁じた「改正児童虐待防止法」が4月1日に施行された。

折しも、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、外出自粛や休校措置によって親子が家に閉じこもりがちになり、親のイライラが虐待につながると懸念する声もある。各地の児童相談所(児相)をはじめ関係機関は、相談体制などに万全を期してほしい。

ここで指摘したいのは、0歳から6歳ごろまでの乳幼児への虐待疑惑が生む冤罪である。実際、不起訴や無罪判決が少なくない。とりわけ注視すべきは乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)が疑われるケースである。

SBSは、親に抱き上げられた赤ちゃんが、上下左右に激しく頭を揺さぶられるなどして、頭部内の血管が損傷して出血する症状のこと。最悪の場合は後遺症が残り死に至ることもあるとされる。

虐待によるSBSを疑われて裁判となる例は近年、増加傾向だが、この2年ほどの間だけでも無罪判決が10件に上っている。また、虐待を疑われると、子どもと離れて暮らす「親子分離」を児相に科せられる場合があるが、この措置によって親子関係が崩壊することもある。ぬれぎぬを着せられた保護者の苦しみは耐え難いに違いない。

なぜ、SBSを巡る虐待事件は冤罪が相次ぐのか。

理由の一つとして指摘されているのが、SBSは虐待によって引き起こされるとの根強い先入観だ。しかし、SBSに関する研究は大きく進んでおり、つかまり立ちを始めたばかりの子どもが、自ら転んだ場合でも発症することが分かっている。

そのため、SBSによる虐待が疑われた場合の判断には、脳神経外科医や画像診断医などを交えた多面的な診断が欠かせない。厚生労働省は、こうした点から幅広く知見を集め、的確な判断ができる体制づくりを進めるべきだ。同時に、SBSに関する児相の対応状況を検証することも欠かせない。

この問題を先月、国会で初めて取り上げた公明党の伊藤孝江参院議員は「虐待が絶対に許されないのと同様に冤罪も許されない」と強調している。この大原則を忘れてはなるまい。

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