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2020年4月4日

親と暮らせない子どもを養育

不足する担い手確保へ手当増額、委託前の負担減
里親支援大幅に拡充

虐待や病気など、さまざまな事情により親元で暮らせない子どもを養育する里親制度(メモ)。公明党の推進により、里親への経済的な支援が今月から大幅に拡充された。不足する里親の担い手確保につなげるのが狙いだ。

里親に養育される子どもは、家庭的な環境の中で成長でき、児童養護施設などの養育と比べて、愛着を形成しやすい。2016年には児童福祉法が改正され、国は、従来の施設養育中心から、里親を含む家庭養育を原則とする方針へ転換。保護が必要な子どもを里親らに委託する割合を、乳幼児で75%以上(26年度末まで)などとする目標を掲げた。

ただ、里親らへの委託率は年々増加しているものの、18年度末では20.5%(7104人)にとどまり【グラフ参照】、国の目標との開きは大きい。

この要因の一つに、里親の担い手不足が指摘されている。そこで、担い手の裾野を広げるため、厚生労働省は今年度から経済的支援を手厚くした【下図参照】。

例えば、養育里親への手当は、これまで1人目で月額8万6000円、2人目以降、同4万3000円だったが、一律同9万円へ増額された。厚労省家庭福祉課は「経験豊かな里親に2人目以降の子どもを受け入れてもらいやすくなれば」と期待を寄せる。

子どもの委託を受ける前の経済的負担も軽減する。委託前に里親は、子どもの暮らす児童養護施設などへ面会交流のため頻繁に通い、相性などを確認するため、交通費の負担がかかった。家庭生活に慣れるための一定期間の生活費も自己負担だった。

これが今年度からは、国が都道府県などの事業を支援する形で、面会交流のための交通費や慣らし期間の生活費として日額5180円支給する。研修にかかる費用も日額3490円支給する。

今回の支援拡充に、里親関係団体からは、歓迎の声が上がる。一般社団法人埼玉県里親会の石井敦理事は「里親は、虐待や育児放棄などを受けた子どもたちに愛情を注ぎ、さまざま苦労しながらも養育している。支援の拡充は、里親家庭で育つ子どもが増えていくことにつながり、大変にありがたい」と話す。

■公明が国会質問

里親の手当拡充や委託前の負担軽減については、公明党の宮崎勝参院議員が、地方議員を通じて里親関係団体の声を受け止め、19年6月の参院厚生労働委員会で強く主張。党厚生労働部会(部会長=高木美智代衆院議員)も一貫して推進してきた。

■自治体の相談体制強化に補助活用を/関西大学 山縣文治教授

里親への経済的支援の拡充は、担い手を増やし、質を高める一歩になると評価できます。その上で、里親をさらに増やすには、安心して養育できるよう社会全体での支援が不可欠です。

ポイントは、きめ細かな相談支援です。虐待などで心身に深く傷を負った子どもの養育は難しく、暴言や赤ちゃん返りなどに直面し、困惑する里親は少なくありません。特に実子に恵まれないことから里親を希望する人も多く、子育て経験のない中、手探りの中で養育をすることになります。

養育への不安、孤立感を解消するため、同じような経験を積んだ里親同士の相談窓口や、夜間でも電話相談できる体制整備などが求められます。

厚労省は今年度予算で、自治体が行う「里親養育包括支援(フォスタリング)事業」への補助を拡充し、24時間365日の相談支援体制などを後押しします。ぜひ多くの自治体に取り組んでもらいたいと思います。

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