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2020年4月3日

【主張】文化芸術の振興 「表現の自由」の礎あってこそ

一部の展示が中止された愛知県の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」への補助金の取り扱いについて、文化庁は先週、全額不交付とした当初の決定を見直し、交付することを発表した。

あいちトリエンナーレを巡っては、企画展「表現の不自由展・その後」で慰安婦を象徴する少女像などを展示した内容に脅迫めいた抗議が殺到し、安全を考慮して展示が一時中止された。

これを受けて文化庁は昨年9月、安全が脅かされる懸念を認識しながら事前に申告しなかったことが手続き上の不備に当たるとして、補助金の全額不交付を決め、県側は不服を申し出た。

その後の審査の中で、県側は開催方法の改善を表明、通常を上回る警備費や展示の再開に関する諸経費を差し引いて再申請した。手続き上の不備が解消されたのだから、交付決定は当然と言えよう。

あいちトリエンナーレを巡ってまず強調しておきたいのは、文化芸術に限らず、社会に多様な見方や意見がある中で、自分たちと意見を異にする言論や表現を暴力や脅迫で排除しようとする行為は断じて許されないということだ。

脅しに屈することなく芸術祭の開催に導いた関係者の苦労は大きかったに違いない。

また、文化庁が補助金の不交付を決めたことに関連し、「表現の自由」の観点から論議があった。

言うまでもなく「表現の自由」は、憲法21条で保障された基本的人権である。これを国が規制することについては、極めて慎重であらねばならない。

実際、2014年に成立した改正児童ポルノ禁止法や、16年成立のヘイトスピーチ(憎悪表現)解消法の制定過程においても、「表現の自由」に十分な配慮が必要として、国会で慎重な審議を重ねた上で成案を得ている。

「文化芸術の礎たる表現の自由の重要性を深く認識し、文化芸術活動を行う者の自主性を尊重する」

これは、文化芸術基本法の前文に掲げられている基本理念である。

日本は文化芸術立国をめざしている。そのためには、国がしっかりと支援すべきであることを強調しておきたい。

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