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2020年3月23日

改正児童虐待防止法 4月から施行

後を絶たない児童虐待問題への対応を強化するため、親権者などによる体罰を禁止する「改正児童虐待防止法」と児童相談所(児相)の体制整備を定めた「改正児童福祉法」が、4月から一部を除き施行される。両改正法のポイントとともに、2020年度予算案に盛り込まれた関連施策などについて解説する。

親権者の体罰を禁止
児相の体制強化へ福祉法も

改正法のポイント

両改正法では虐待を防止するため、まずは親権者などによる体罰の禁止を明確にした点が大きい。家庭内で「しつけ」を名目に行われる体罰が、虐待につながっている例が多いからだ。親権者が子どもを戒めることを認める民法の「懲戒権」については、法施行後2年をめどに、あり方を検討するとした。

また、子どもが虐待されている家庭では、DV(配偶者などからの暴力)が起きている事例が少なくない。そこで、婦人相談所などDV対策を担う機関と児相との連携を強め、問題を早期に発見し、暴力から親子を守る。

さらに、児相の体制も強化する。虐待が疑われる家庭から子どもを一時保護するなどして引き離す「介入」と、親権者への支援を行う職員を分ける。職員が親権者との関係を考慮して子どもの保護をためらうのを防ぐためである。

このほか、弁護士が常時、児相に指導・助言できる体制などを整備するとともに、児相に医師と保健師を配置(一部は22年4月施行)。人口、地理など政令で定めた基準を参考に都道府県が児相の管轄区域を定め、設置を促進する(23年4月施行)。

しつけとの違い、指針で明示

法改正では、体罰としつけの範囲が大きな焦点となった。そこで厚生労働省の有識者会議は2月、体罰に当たる行為について指針をまとめた。4月の改正法施行に合わせて運用される。

指針では、しつけのためでも、体に何らかの苦痛や不快感を引き起こす行為は「どんなに軽いものでも体罰」と明記。その上で、▽注意したが言うことを聞かないので頬をたたく▽いたずらしたので長時間正座させる▽友達を殴ってけがをさせたので同じように殴る――などの具体例を挙げた。

また、冗談でも「お前なんか生まれてこなければよかった」などと言うことは、子どもの心を傷つけ、子どもの権利を侵害するとした。指針の実効性を高めるには、親権者や関係機関への周知徹底が必要となる。

保護施設整備に国の拠出増

一方で、法施行に合わせ、今国会で審議中の20年度予算案に関連事業費が盛り込まれている。

厚労省は、児相への弁護士や医師、警察OBの配置やSNS(会員制交流サイト)などを活用した相談窓口の推進に関する費用を計上。児相間の情報共有システムの構築や、婦人相談所と児相との連携も進める。

総務省は、自治体が児相を新増設する取り組みを後押ししようと、国が負担する設置費用の割合を現在の5割から約7割に引き上げる。また、虐待の疑いで緊急に保護した子どもを受け入れる「一時保護所」も全国的に不足している。そのため、施設整備にかかる費用の補助や職員の増員など支援を拡充する。

法務省も、児相などを法律面でサポートするため、4月から全国の法務局など関係機関に順次、専用の窓口を設置していく。例えば、少年鑑別所は、児相や親権者との面談、心理的支援などを行う。地方検察庁は虐待で刑事手続きを受けている親権者に対し、継続的に指導できるよう関係機関と調整する。

公明の緊急提言を反映

東京都目黒区で18年3月に起きた5歳女児の虐待死事件を受け、政府は同年7月に緊急総合対策を取りまとめ、児相の体制強化を図る法改正をめざす方針だったが、改正法案を国会に提出する直前の昨年1月に千葉県野田市の女児虐待事件が発生。事態の深刻さを踏まえ、公明党は翌2月に政府に体罰禁止の法定化などを求める緊急提言を行い、今回の法改正に反映させた。予算と制度運用面での対応を取りまとめた政府の「抜本的強化」対策(昨年3月に閣議決定)にも、学校における虐待防止体制の構築など公明党の主張が盛り込まれている。

児童虐待問題

児童虐待の疑いで児童相談所に通告された子どもの数

虐待の疑いで警察が児相に通告した子どもは、昨年1年間で9万8222人に上り、最多を更新した。警察が摘発した児童虐待事件も1972件で過去最多。生命の危険があるなどとして警察が緊急保護した子どもも5553人(前年比982人増)と、統計開始の12年以降増え続けている。

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