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LGBT「悩みを聞いてほしい」
月2回、専門員による電話相談
兵庫・芦屋市
LGBT電話相談を巡り、関係者と意見を交わす田原市議(右端)
兵庫県芦屋市は昨年2月から、専門相談員によるLGBT(性的少数者)電話相談を実施しており、好評を得ている。電話相談の時間帯は毎月第1、第3火曜日の午後4時半から同8時15分まで。多様な性のあり方が尊重される社会をめざして相談・情報発信事業を展開するNPO法人「QWRC(くぉーく)」の専門相談員が市役所内に待機し、電話による相談に応対。本人だけでなく家族や友人、学校の先生、支援者からの相談も受け付けている。
この1年間に計25回の相談日で受けた相談件数は合計32件。「誰にも告白できず悩みに押しつぶされそう」「話を聞いてほしい」など、切実な声を受け止めている。一方、相談件数にカウントされない「無言電話も多い」(市人権推進課)という。
専門相談員のコーディネーターを務めるQWRCの桂木祥子理事は「それぞれケースが違うので、この人はこうだと決め付けないことが大切」と強調する。市人権推進課の中西勉課長は「一人で悩まないで、相談することで少しでも楽になってほしい」と語っている。
公明党の田原俊彦市議は、2015年7月の定例会一般質問で性的少数者への偏見や差別をなくし理解を深めるため「人権相談体制の強化や多方面にわたる啓発を」と訴え、相談窓口に加えて市職員や教職員を対象にした研修の実施・充実などを求めていた。