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地域の「日本語教室」支援
4月から県庁に推進センター
愛知県
愛知県に住む外国人は27万2855人(昨年6月末現在)。このうち、日本語指導を必要とする児童・生徒数が9100人(2018年5月現在)で、全国で最も多い。県内に約200カ所ある日本語教室を支援しようと、県は4月から県庁内に「あいち地域日本語教育推進センター」を設置する予定だ。
立ち上げや運営に助言
日本に住む外国人が増加する中、昨年6月に施行された「日本語教育推進法」は、共生社会の実現に向けて自治体に対し、日本語教育の体制整備を求めている。県のセンター設置はこれを受けた試みとなる。
センターには「総括コーディネーター」を1人配置。それに加え、県内各地に8人の「地域日本語教育コーディネーター」を置く予定。各地のコーディネーターは民間団体や自治体の日本語教室などへの指導・助言を実施。日本語教室で教える人向けの研修会開催も検討するなど、日本語教室を支援していく。県担当者はセンターの役割について「『日本語教室を立ち上げたいが、何をすればいいのか』といった悩みや、運営する中での困り事を解決するきっかけになれば」と話す。
公明党の荻原宏悦県議は昨年6月、県議会県民環境委員会で同年4月の改正出入国管理法の施行により外国人住民が増える中、地域の日本語教室を支援する必要性を主張。県内のどの地域でも学習機会が確保される体制づくりと、日本語教室に助言などをするコーディネーターの配置を求めた。
同年10月の同委員会でも日本語教育推進法の施行に触れ、日本語教室が抱える課題の解決をサポートする取り組みを要望した。
外国人増に対応、共生社会めざす
豊橋市にあるNPO法人「フロンティアとよはし」(河村八千子理事長)は、児童・生徒から大人まで幅広い世代を対象に、外国人向けの日本語教室のほか、日本語能力試験の受験対策を教える講座、外国人が多い地域に住む日本人向けのポルトガル語教室などを市内で開いている。
河村理事長は「日本語教室が必要なのに不足している地域がまだある。センター設置をきっかけに、どこに住んでいても十分な日本語教育が受けられる体制ができてほしい」と語る。日常生活の相談に乗ることも日本語教室の役割と語り、「教室で外国人児童・生徒の生活支援もできるようセンターが指導すれば、さらに質が上がるのでは」と期待していた。