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新型コロナと公明党
現場の声から提言重ねる
フリーランスも対象 休業補償など具体化
党対策本部 高木美智代事務局長に聞く
新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会・経済への影響緩和などに向け、公明党は対策本部(本部長=斉藤鉄夫幹事長)を中心に全力を挙げています。対策本部の高木美智代事務局長(衆院議員)に、これまでの取り組みや今後の対応などについて聞きました。
――公明党はどう取り組んできましたか。
政府に先駆けて1月27日に対策本部を設置。今月13日までに20回の会合を開き、時々刻々と変化する事態への迅速・的確な対処をめざして取り組んでいます。
そこには、国会・地方議員に寄せられた現場の声や党ホームページの特設コーナーに寄せられた要望などを持ち寄り、水際対策や感染拡大防止策、経済対策などを政府側も交えて討議を重ねました。観光業や中小企業など各種団体からのヒアリングも実施してきました。それらを踏まえて、党として3回の緊急提言を政府に申し入れ、「矢継ぎ早に発信する提言は政府の政策にも反映された」(2月26日付「産経新聞」)と報道されました。
会合では、必要に応じて、その場で政府側に要請も行います。2月16日に初開催された政府対策本部の「専門家会議」は、同14日の党対策本部の会合で、専門家の知見と根拠に基づく政策判断や情報発信を進める観点から、政府側に設置を求め、実現しました。
――公明党の提案で具体化したものは。
今月10日発表の緊急対応策第2弾など政府の施策に、公明党の提案が大きく反映されています。
例えば、経営の危機に直面する中小企業・小規模事業者を支援するため、1.6兆円規模の手厚い資金繰り支援策が講じられることが決定。実質的に無利子、無担保の融資枠がある特別貸付制度も創設されます。また、経営悪化時に雇用を維持する事業者を支援する「雇用調整助成金」の特例措置の対象も、影響を受ける全事業主に拡大されます。ウイルスを検出する「PCR検査」の保険適用と自己負担分の全額公費助成なども実現しました。
――党に寄せられた要望から何が実現しましたか。
数多くあります。確定申告や車検、運転免許証の更新といった行政手続きの期間延長もその一つです。「手続きの窓口が混雑していて感染リスクが高まる」という声を受けて公明党が主張し、実現しました。
障害福祉サービスの介護給付費請求についても、「施設での感染症対応で請求事務作業の手が回らない」との声を聞き、政府に要請した結果、請求期日(毎月10日)以降の申請も認められるようになりました。
臨時休校に伴う対応でも、寄せられた切実な声を踏まえ、具体的な対応策を積極的に政府に提案。子どもの世話のために休業した場合の収入減に対応する支援策では、正規・非正規雇用者だけでなく、業務委託を受けて働くフリーランスの人についても、調整に困難を極めましたが、対象に加えることが決まりました。
家計、中小企業 政策を総動員
――世界保健機関(WHO)の「パンデミック(世界的流行)」宣言を受け、世界同時株安に陥るなど、現下の経済情勢は極めて厳しい状況に直面しています。
経済への影響については“2008年のリーマン・ショック並み”などの声もあります。“いつまで続くのか……”という先行きの見えない状況が一番の不安要素になっています。
現下の影響を乗り越えるため、企業の事業継続や雇用の維持、家計支援など、窮状打開へ政策を総動員しなければなりません。まずは、国民の命と暮らしを守る政策が盛り込まれた来年度予算案を一日も早く成立させ、執行することが重要です。その上で国際協調して、早期終息に全力を挙げるとともに、終息後も見据えた前例のない大胆な経済対策が必要です。その具体化に向け、党内での検討を今月13日から始めました。
国会議員と各地の地方議員が緊密に連携するネットワーク政党としての持ち味を存分に生かし、引き続き、現場の声を伺いながら、国の対応策に反映させていく決意です。同時に、対応策を一人でも多くの人々に活用してもらえるよう取り組み、地域の実情に応じた各自治体独自の支援策の実現も進めます。ご意見・ご要望があれば、党の国会・地方議員や党ホームページの特設コーナーなどにお寄せください。
大胆な経済対策が必要
教育無償化など 20年度予算成立早く
NHK番組で 高木(美)氏
公明党の高木美智代政務調査会長代理(衆院議員)は15日、NHKの報道番組「日曜討論」に与野党の政策責任者らと共に出演し、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴う経済への影響を巡り「思い切った大胆な前例のない経済対策が必要だ」と力説した。
高木氏は、公明党の提言が数多く反映された政府の緊急対応策第2弾について、「中小企業・小規模事業者の事業を継続し雇用を確保する、家計を支えていく上で非常に重要だ」と述べ、実質的に無利子・無担保で融資を受けられる特別貸付制度の創設や、フリーランスへの支援などの意義を強調。その上で、「規模において、どのような上乗せができるか、今後の経済対策でしっかりやっていきたい」と訴えた。
一方、2020年度予算案に関しては、幼児教育・保育の無償化、私立高校授業料の実質無償化、中小企業の事業承継支援など経済を下支えし、国民の生活を守る重要な経費が計上されていることを踏まえ、「これを足場に、さらなる経済対策へ進められるよう、早期成立に全力を挙げたい」と語った。