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2020年3月14日

東日本大震災から9年 被災地の春(上)

岩手県

東日本大震災から9年。10回目の春を迎えた被災地で“あの日”を忘れず、復興へと歩む人たちの姿を見つめた。=東日本大震災取材班

大船渡市
追悼の竹明かりを制作

鎮魂の思いを込めて市民や商店主らが竹明かりを制作した=岩手・大船渡市

東日本大震災で大きな津波被害に遭った岩手県大船渡市。11日には、かさ上げ地にある商業施設「キャッセン大船渡」で犠牲者を追悼する竹明かりのライトアップが行われた。

竹明かりを作ったのは、商店主らでつくる「竹部」のメンバー。当初は、市民にも呼び掛け、制作ワークショップなどを予定していたが、新型コロナウイルスの感染症拡大防止のため中止に。10人ほどで、約100個の竹明かりを制作した。

竹明かりは2年前から地元の竹を使って始まった。メンバーは「亡くなった人を忘れない」「新しい商店街にたくさんの人が来るように」――と、それぞれの思いを竹明かりに込める。栗村直樹さん(41)は「竹明かりを多くの人に見てもらい、3.11を心に刻んでもらえれば」と願っていた。

中心市街地では、かさ上げ工事が完了し、大津波の爪痕は消えつつある大船渡市。竹明かりは、復興への歩みを進めるまちを優しく照らしていた。

陸前高田市
震災拾得物 遺族の元に

「思い出の品」の返却事業に取り組む秋山代表理事=岩手・陸前高田市

亡き人の笑顔、故郷の風景の写真など、東日本大震災の大津波で流された「思い出の品」。岩手県陸前高田市では、震災拾得物を遺族らの元へと返す取り組みが続いている。

「“思い出”を探しに来た人が、目的の写真などを見つけやすい環境を提供したい」。こう語るのは、一般社団法人「三陸アーカイブ減災センター」の秋山真理代表理事。

同センターは、2011年8月から市の委託を受け、拾得物の保管・返却を行っている。津波で海水や砂にまみれた写真は丁寧に洗浄し、劣化を防ぐためデータ化して保存。寄せられた品は7万点に上り、これまで写真3381枚、物品33点が返却された(18年9月から今年3月末)。

市外に住む持ち主を探すため、県内外で「出張返却会」も定期開催している。

秋山代表理事は「9年を経て、ようやく写真を見に来る人もいる。長期的な活動を通して被災者と向き合い、心の復興につなげていきたい」と力を込める。

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