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東日本大震災9年 3・11の記憶を世界へ
津波の脅威を次代に
五輪で思い伝えたい
3.11の記憶を世界へ――。東日本大震災の被災地では、自らの体験を海外へ、次世代へ伝えようと奮闘する人々がいる。岩手、宮城の両県で活動する人たちの様子を紹介する。=東日本大震災取材班
ラグビーW杯での伝承活動を報告
昨年のラグビーW杯で釜石会場に訪れた観客への伝承活動を報告した生徒たち
岩手県立釜石高校の生徒たち
岩手県陸前高田市の東日本大震災津波伝承館を会場に先ごろ、同県立釜石高校の3年生代表が震災伝承の取り組みを発表した。
同校の生徒は昨年、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで開催されたラグビーワールドカップ(W杯)の試合当日、英語を交え国内外の観戦客に津波の脅威と教訓を語った。同スタジアムは、津波で全壊した鵜住居小学校、釜石東中学校の跡地に整備。語り部を務めた生徒たちは当時、同小学校に通っていた。
洞口留伊さんは「震災の悲しみの上にW杯が行われていることを伝えたかった」と当時の思いを述懐。野呂文香さんは「どの地域に住んでいても津波から生き延びられるよう、私たちの体験を日本中へ、世界中へと伝えたい」と語った。
また、佐々木千芽さんは「自分の言葉で震災を語り続けることが防災につながる」と力を込めて話した。
この春、3人は別々の大学へ進学。それぞれ専攻する教育、情報伝達、地域づくりで防災へ、釜石へ貢献することを誓っている。
訪日外国人へ英語で語り部
海外から訪れた大学生たちに、震災体験を英語で語る高橋さん(左端)
宮城・塩釜市の高橋匡美さん
Where is the place you call home?(あなたの「ふるさと」はどこですか?)――。震災体験を英語で語る活動をしているのは宮城県塩釜市の高橋匡美さん(54)。先日は、石巻市を視察に訪れた「日ASEAN学生会議」の大学生を相手に語り部を務めた。
高橋さんは、3.11の大津波で両親を亡くし、生まれ育った石巻市南浜町の街並みを失ったことをスピーチ。「大切な家族の笑顔、近所の街並みが、ある日突然、めちゃくちゃに壊され、奪い去られる。それが災害なのです」と話した。この後、高橋さんは参加者と一緒に、「石巻南浜津波復興祈念公園」の整備が進む南浜町を歩いた。
「明日が来るのは当たり前じゃない。今を大切に生きましょう」と語る高橋さん。東京五輪・パラリンピックで訪れる海外の人へ“あの日の記憶”を伝えようと英語の猛勉強を開始。国境を越えて命の大切さを訴えるため、自宅の部屋中に英文を張り出して日々、練習を続けている。









