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復興庁 10年延長
政府、関連法案を閣議決定
被災地に寄り添う体制
福島再生へ 帰還・移住支援手厚く
公明、一貫して推進
発災から間もなく9年を迎える東日本大震災の被災自治体で、喜びの声が広がっている――。政府は3日、2021年3月末となっている復興庁の設置期限を10年延長する復興庁設置法などの関連法改正案を閣議決定した。「復興・創生期間」(21年3月末で終了)後も、引き続き被災地に寄り添う体制を維持するため、復興を支える仕組みや組織、財源を一体的に整備する。関連法案のポイントと、東京電力福島第1原発事故による避難指示が一部地域で解除された福島県大熊町の吉田淳町長のコメントを紹介する。
<関連法案のポイント>
▽復興庁の設置期限を2031年3月末まで10年延長
▽地震・津波被災地では、企業への税優遇を被害が大きかった地域に重点化
▽福島県外からの新たな住民の移住促進や、交流・関係人口を増やす事業に交付金を支給
▽福島の風評対策として、海外の輸入規制緩和に向けた取り組みを強化
▽震災復興特別会計は21年度以降も継続
関連法改正案は、復興庁設置法をはじめ、復興特区法、福島復興再生特別措置法などで構成。自民、公明の与党両党の復興加速化本部が昨年8月に政府へ提出した第8次提言に沿った、東日本大震災からの復興基本方針に基づく内容となっている。
復興庁の体制については、21年4月以降も現在と同様に首相直轄の組織として専任の閣僚を設け、復興施策の企画・立案や地域の要望・課題にワンストップ(1カ所)で対応する総合調整機能を維持する。復興庁の出先機関で岩手、宮城、福島3県の県庁所在地にある各復興局のうち、岩手、宮城については沿岸部に移転し、盛岡、仙台両市には支所を置くこととした。
地震・津波被災地では、産業への支援として、企業への税優遇を被害が特に大きかった地域に重点化。被災者の心のケアにも注力し、5年間での事業完了をめざす。
福島の再生については、原発事故で避難している住民の帰還に向けた交付金の支給対象を拡大。県外からの移住を促進したり、都市部に住みながら週末などに福島で過ごす人など「関係人口」を増やすような事業にも手当てする。さらに浜通り地域に新産業を集積する「福島イノベーション・コースト構想」の推進や、風評被害の払拭に向けて海外の輸入規制緩和への取り組み強化も盛り込んだ。
これらの復興事業を確実に実施する財源を確保するため、一般会計とは別枠の震災復興特別会計と、被災自治体を支援する震災復興特別交付税は、21年度以降も継続する。
住民の帰還に向けて整備された商店街を視察する井上義久副代表(左から2人目)ら党復興加速化本部のメンバー=2019年3月3日 福島・楢葉町
公明党は、「心の復興」「人間の復興」との理念を掲げ、どこまでも被災者に寄り添った支援を一貫して訴えてきた。
復興庁の存続については、党復興加速化本部が昨年3月から4月にかけて、岩手、宮城、福島の被災3県を訪れ、復興状況を調査。被災自治体の首長などの声を聞き、与党の第8次提言で復興庁の継続を求め、政府の方針とさせた。
町に活力取り戻す
福島・大熊町長 吉田淳氏
昨年、一部地域で初めて避難指示が解除されたばかりの大熊町にとって、復興施策はスタートを切ったばかりであり、ここで国の復興支援が打ち切られては困ると思っていた。復興庁と震災復興特別会計の延長により、大熊町のように「周回遅れ」で復興施策に当たる自治体も中長期的な展望で計画を立てることができる。
震災から9年。帰還を諦めた町民が多数を占めるのは事実で、今後は新たに住民に加わってくれる方や町を訪れてくれる方を増やし、町の活力を取り戻すことが急務だ。こうした施策への支援を打ち出した福島復興再生特別措置法の改正案を一定程度、評価する。
公明党には政権与党として、今後も政府の復興施策を力強くけん引してほしい。









