ニュース
災害避難所の運営
女性の視点で対策強化
政府、公明の提案受け指針改定へ
自然災害が激甚化・頻発化する中、女性や子育て家庭に配慮した避難所運営のさらなる強化が求められている。
政府の検討会は現在、各自治体が防災・復興計画を整備するための「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」の見直しを進めている。3月中に検討案を取りまとめる方針だ。
同指針は、東日本大震災を教訓に2013年に策定された。公明党の主張を踏まえ、女性を防災・復興の「主体的な担い手」と位置付けるよう明記。避難所運営では、授乳室や男女別トイレなどの設置の必要性を強調するとともに、女性用品、粉ミルクなどの備蓄品確保が盛り込まれた。
これにより、全国の自治体で具体的な改善が進められてきた。しかし、16年4月に発生した熊本地震や、18年の西日本豪雨、19年の令和元年東日本台風などでは、授乳できる場所がなかったり、生理用品が不足するなどの事態は相変わらず後を絶たない。対策強化は引き続き重要な課題だ。
共同通信がこのほど実施した全国自治体アンケートでも、各自治体が指定する避難所の生活環境に関して対応が急がれる項目として「更衣室や授乳室」を求める声が17%に上った。
このため政府は、19年10月に防災や危機管理、男女共同参画の専門家で構成する検討会を新たに発足させ、女性や子育て家庭の視点を踏まえた避難所の課題を改めて検証している。
改訂する指針については、13年以降に策定された国連のSDGs(持続可能な開発目標)や「仙台防災枠組」のほか、国際赤十字などが紛争や災害を想定して作った「スフィア基準」などの内容も反映する。
全国知事会などが実施した調査によると、市区町村の地方防災会議の女性委員比率は増加し、女性委員がゼロの自治体はこの10年近くで61.5%(08年度)から23.8%(17年度)に減少している。
物資の備蓄が大きく改善
熊本地震で被害を受けた教育現場や避難所などを訪れ、課題を調査した古屋副代表(右から5人目)ら=16年5月 熊本・御船町
さらに、地方防災会議の女性委員が多い自治体ほど、トイレ、アレルギー対応食、ほ乳瓶、おむつなど、乳幼児や高齢者、女性のニーズに合った物資の備蓄が、軒並み大きく改善していることが判明。防災対策に女性の視点を生かすことは、子どもや高齢者、障がい者など災害弱者の視点を生かすことにつながることが改めて明確になった。
一方、都道府県防災会議での女性委員の割合は19年4月1日現在で16%にとどまり、政府目標の30%に届いていない。
このため公明党は、党女性委員会(委員長=古屋範子副代表)が中心になって国と地方の連携を深め、政府目標の早期達成をめざす。










